2011年11月15日

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2011年04月30日

4月の一曲 『あ、やるときゃやらなきゃダメなのよ』 Crazy Ken Band

春、それは動かなければならない季節。特に今年は、いろいろな意味でやならければならないことが積み上がっているように思います。そんな日々、聴いているのがこの一曲。

甘い日々/あ、やるときゃやらなきゃダメなのよ。上から大声で叫ばれても、叱咤激励されてもかえってめげちゃうものですが、すんなり耳に入ってきて、身にしみます。控えめな笑顔で「がんばらなくっちゃね!」と言われて、ついうなづいてしまう、そんな心持ち。

歌詞に秘密があるのかもしれません。さらっとしているようで奥が深い。例えば、登場する「君」とその「不在」は、聴く人の心持ち次第でいかようにも「読み替え」ができます(Sheでなくってもいいのかもしれない?!)。サビの「彼女曰く」の部分の微妙な言い回しの違いも、ニクいですね。相手へのパーソナルな気遣いも感じます。

やる事と、要求される努力との両方のプレッシャーに悶々とする夜が明ければ朝が来る。起きて、顔洗ってスカッとして、家を出る。玄関から一歩踏み出すちっぽけな勇気に、この曲は応えてくれます。あれこれ言うだけの人はほおっておこう。やるときゃやならきゃダメなのよ。

「思い切って見上げた明るい空」を音で描いてみせたのもこの曲のすごいところ。春のやわらかくて、どこまでもひろがってゆきそうな空と、軽やかな曲調がぴったりマッチします。

聴いてみたい方はここでどうぞ。

http://youtu.be/dwPGgpm5Gjc



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2011年04月27日

Une Anti-Actrice の死

アニー・ジラルドの死を伝える記事はあっけないくらい小さかった。彼女の残した仕事より、晩年の境遇(アルツハイマー病を患っていた)が目につく短文。しかし、それもしかたないことなのかもしれない。今、どこのレンタルショップを探しても、華やかに活躍していたころのアニー・ジラルドの代表作は棚にならんでいない。誰、それ?と言われて「こんな人です」と差し出せる DVD がないなんて。
 
anti-actrice01.jpgフランスでのアニー・ジラルドは、歌の世界のエディット・ピアフに比肩するとも評される、押しも押されぬ大女優。『パリ・ヴォーグ』90周年記念号で再録されたスター女優のインタビューでも、BB とリズの間に挟まれて登場していた。100本を超えるフィルモグラフィー(その多くが日本未公開)は、彼女がどれほどフランスの観客の心をつかんできたかを物語っている。
 
なにがアニー・ジラルドを「別格」にした? 役を選り好みしないひとだったから(特殊メイクをして、「猿女」と見せ物にされる毛深い女性を演じたこともあり)? 喜劇も悲劇もなんでも見事にこなす役者だったから? かざらないキャラクターも一役買っていたかもしれない(「シャネルやカルダンの服は持ってないけど、イヴ・サンローラン・リヴ・ゴーシュではちょくちょく買物するのよ。」)しかし、彼女がいわゆる「映画スター」と一線を画する存在になれたのは、仕事に対する確固たる姿勢のおかげではないかと思う。
  
インタビューで、アニーはこう語っている。「私は「アンチ-女優」なの。ファム・ファタルとか演じる役柄にはこだわらない。現場で、プロフェッショナル達と一緒に仕事するのがとにかく好き。監督は、私の中から自分たちが欲しい、リアルなオンナを引っ張りだすの。」女優として銀幕での神秘的なイメージを大事にするのでなく、時代と創り手が求めるいろんな「生身の女性」を生きることを喜びとする―そんな彼女が演じた女達はとても自然で魅力的だ。闊達にしゃべり、笑い、煙草をふかす姿もさまになる、醒めた面差しが印象的なちょっといい女。若くはない女性を演じるアニー・ジラルドが若いとき以上に輝くのは、重ねた年月もひっくるめて丸ごと差し出す彼女のいさぎよさのおかげかもしれない。
 
スクリーンの中のアニー・ジラルドと出会ったのは、テレビの深夜放送。70年代の代表作『愛のために死す』だった。ハイティーンの教え子と恋に落ちた、シングルマザーの女教師に降り掛かる悲劇を描いた実録もので、ひとまわりの年の差をものともせず、これでもかという不幸にめげず純愛をつらぬくストーリー。ひとつ間違えば見てられないようなウソっぽい代物になる類いのものだけれど、恋愛モノの枠を超え、通俗的な恋人達の物語がある種の崇高な戦いを思わせる作品となったのは、ひとえにアニーの作り上げたヒロインのリアるな手触りのおかげだった。ショートカットに知的なまなざし。ちょっと寂しげな微笑み。苦しさを内に秘めて若い恋人をはげまし抱擁する姿は、お芝居を超える説得力があった。
 
70年代は娯楽作を含む数々の映画に出演し精力的に仕事をしてきたアニーだったが、80年代以降は仕事のペースが落ちる。世代交代した監督達から声がかからなくなってしまった。1996年に、盟友クロード・ルルーシュの作品で助演して2度目のセザール賞を受賞したときのスピーチは、不遇の時を耐えた彼女の慟哭そのものだった。「私がいなくて寂しい、とフランス映画界が思ったかどうかはしりません。でも、私は、フランス映画のことをただひたすらに、思っていました。どうしようもなく、気がおかしくなりそうなくらいに」。
 
主演作品を気軽に見れない今、Youtube にアップされていたアニー・ジラルドならではの一場面を紹介しておきたい。ルルーシュ監督とタッグを組んだ『あの愛をふたたび』(1970年)のラストシーン、台詞なしの数分間。空港で相手(ジャン・ポール・ベルモント)を待つも彼はついに現れず、不倫の恋の終わりを知るという設定。千々に乱れる感情を胸にただ立ち尽くすアニーの表情が、とにかく絶品。大写しにされた彼女の表情のほろ苦さがあるからこそ、フランシス・レイのべったり甘くておセンチな音の奔流も活きるのだと思う。

http://youtu.be/A6WrT3qIf90

アニー・ジラルドは歌も踊りも達者にこなすひとだった。駆け出しのころはレビューの舞台にも立ち、「女優になっていなかったら、ダンサーになって、フレッド・アステアとタップを踊りたかった」とインタビューで語っているほど。
歌声はやさしくて、演技とはまた別の魅力がある。

イタリア語で歌う彼女の歌はここで聴く事ができます。

http://youtu.be./hQs95KiGlFU



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2011年04月17日

FBNナビ(3):人気記事リンク集、まだまだあります

□「豪華絢爛、エリゼ宮」(大統領官邸、1年に1度無料公開の日のレポート)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/116296253.html
□「フランス・テレコムで何が起こったのか?」(社内で相次いだ自殺の原因とは)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/141931165.html
□「アカデミー賞女優、マリオン・コティヤールの反セクハラ・キャンペーン」(おでこにつけたオッパイは何を意味する?)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/143913542.html
□「カーラ・サルコジ・ブルーニ大統領夫人のノーブラ・スキャンダル」(ちょっと下品な話題ですが歴史的な裏づけも)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/143729896.html
□「モントリオールのベーグル」(北米のパリ、モントリオール、発祥はポーランド)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/91386164.html
□「メープルシロップの里をたずねて」(メープル・バターがおいしそう)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/85122899.html

□「不況っていったい?」(経済、経営学部の学生さん、必読)
http://frenchbloom.seesaa.net/article/115679420.html
□「利子っていったい?」(諸悪の根源は利子だった)
http://frenchbloom.seesaa.net/article/116291167.html
□「ナポレオンとワインの意外な関係」(ナポレオンの影で暗躍したロスチャイルド)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/80215229.html
□「ビオトープとメディア」(身近で手作りなエコロジー)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/95429328.html
□「RE-DESIGN」(紙は批評性を持ち、優れたデザインはそれを先鋭化する)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/81705654.html

□「エレーヌ・グリモー」(狼と育った異色のピアニスト)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/108102599.html
□「『西洋音楽史』」(音楽史は誰のためのもの?)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/111779130.html
□「ipodは何を買えたのか(2)identity」(あなたのipodの中身を見せてください!)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/113761220.html
□「ipodは何を買えたのか(3)shuffle」(シャッフル機能には意志がある?)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/114125155.html
□「アルバム・ジャケットの終焉」(ipodが私たちから奪ったもの)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/112946942.html

□「新旧フランス女優列伝(2)エマニュエル・ベアールの巻」
http://cyberbloom.seesaa.net/article/134497174.html
□「『バファロー'66』」(ヴィンセント・ギャロが監督・主演)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/110587749.html
□「グラン・トリノはいい車なのか」
http://cyberbloom.seesaa.net/article/126676211.html
□「『チェンジリング』」(主役のシングルマザーにアンジェリーナ・ジョリー)
http://frenchbloom.seesaa.net/article/115750012.html
□「『チェンジリング』」(イーストウッド監督のものごとを客観的に見つめる姿勢)
http://frenchbloom.seesaa.net/article/116639716.html
□「『おくりびと』と埋葬の現在」(話題の映画を通して考える葬式とお墓)
http://frenchbloom.seesaa.net/article/116924457.html



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2011年04月11日

FBNナビ(2) 2010年の人気エントリー

□フランスは昔から農業大国だったわけではない
http://frenchbloom.seesaa.net/article/185195725.html
□フランス産業界の半分が日本に依存
http://frenchbloom.seesaa.net/article/194431242.html
□村上隆のヴェルサイユ展
http://frenchbloom.seesaa.net/article/162465828.html
□高校生さえもデモをするフランスの現状と将来
http://frenchbloom.seesaa.net/article/170372738.html
□ヴェルサイユ宮殿の現在
http://frenchbloom.seesaa.net/article/168758160.html
□「聖☆おにいさん」仏人も聖人も住みたくなるサブカル日本
http://frenchbloom.seesaa.net/article/160025369.html
□松井大輔のフランス語
http://frenchbloom.seesaa.net/article/157143847.html
□日本がアジアの頂点に(サッカー) ―"Le Matin" より
http://frenchbloom.seesaa.net/article/184127107.html
□フランスには「トイレの神様」はいない
http://frenchbloom.seesaa.net/article/147300796.html
□夏時間または失われた1時間のこと
http://frenchbloom.seesaa.net/article/185312539.html
□レストランとは何か
http://frenchbloom.seesaa.net/article/164996233.html
□『ノルウェイの森』を観る前に
http://frenchbloom.seesaa.net/article/169656800.html
□音楽で観るフィギュアスケート 2010-2011 The Up-And-Comers!
http://frenchbloom.seesaa.net/article/172232201.html
□「ジャジーなハスキーヴォイス求む」――ZAZ(ザーズ)
http://frenchbloom.seesaa.net/article/155340252.html
□「アコースティックパワーポップ」LP――Le premier clair de l'aube / Tété
http://frenchbloom.seesaa.net/article/142885848.html
□「かんたんフレンチレシピ―ケーク・サレ cake salé」
http://frenchbloom.seesaa.net/article/171556840.html


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2011年04月08日

FBNナビ(1) 大学でフランス語を履修しよう!

このブログはフランス語を学んでいる人たちにフランスに関連する情報を提供しようという目的で運営しています。

ディコ仏和辞典プチ・ロワイヤル仏和辞典

去年は3月の半ばくらいにアップしたのですが、今年は未曾有の災害と事故に心を奪われているうちに大幅に遅れてしまい、第二外国語の選択のためのというより、すでにフランス語を選択してしまった人への情報提供という形になってしまいました。少なくとも大学で1年以上付き合わなければならない科目ですので、フランスやフランス語を通して何が学べるのかを、このブログを読んで参考にしてみてください。

フランスは日本人にとって相変わらずオシャレな憧れの国であり続けている一方で、マンガやアニメ、J-ROCK(最近は新たに弁当なんかも)などがフランスの若者の憧れの対象になっています。またグローバリゼーションが進んだ状況では、フランスと日本は同じ現実や問題を共有することになります。フランスのことを書いていたとしても、それは日本のことや、世界全体のことに何らかの形で通じています。それは特に雇用や労働の問題において顕著で、学生さんや若い世代の読者の関心の非常に高いテーマでもあります。

そして今回の福島の原発事故では、フランスからホウ酸や防護服や事故対策ロボットの提供など様々な支援が行われ、原発大国としてのフランスがにわかに注目を浴びています。事故を起こした福島第1原発3号機に装填されている MOX 燃料がフランスから送られてきていることも指摘しておく必要があるでしょう。それに加え、311以降、語学の重要性はさらに高まったように思えます。とりわけ国家的な緊急時には複数の情報をつき合わせるために外国語のソースからも直接情報を取ることが不可欠ということ、また日本を脱出して外国に移住しなければならない状況が実際に起こりうるということを、私たちはリアルに思い知らされました。

「4月からフランス語をやってみよう」という人たちへのささやかなアドバイスになるような記事や、アンケートで学生さんたちに人気のあった記事やサイトなどをピックアップしました。次回は FBNナビ(2)として2010年の人気エントリーを紹介します。

★言葉を学ぶとはどういうことか
□「フランス語を話せれば」(bird dog)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/27923622.html
□「メトロの中の日本語」(bird dog)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/23335530.html
□「パリのカフェ的コミュニケーション」(cyberbloom)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/29258434.html
□「アウェイで戦うために」(cyberbloom)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/19644800.html

★フランスは今どんな感じ?
□「フランスの日本ブーム」(動画 from youtube)
http://www.youtube.com/watch?v=vbjBYQXjBZE
□「コカコーラ・レッスン」(bird dog)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/23405871.html
□「自転車でパリは美しくなる」(cyberbloom)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/46632579.html
□「フランスのオタク文化-子供の発見」(cyberbloom)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/20389300.html
□「フランス文化の死」(cyberbloom)
http://frenchbloom.seesaa.net/article/73039018.html
□「お笑い日本の実態」または「どうせ分からないフランス語」(bird dog)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/130230741.html

★2009年度人気エントリー
□「パトリシア・プチボンがまたやってきた!」(manchot aubergine)
http://frenchbloom.seesaa.net/article/131887201.html
□「ヒップホップと手を組むルイ・ヴィトン」(goyaakod)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/101533978.html
□「フランス語版『神の雫』Les Gouttes De Dieu」(cyberbloom)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/113050474.html
□「フランスで弁当ブーム!」(cyberbloom)
http://frenchbloom.seesaa.net/article/140066758.html
□「カナダ、ケベック州のウィンターカーニバル」(sophie)
http://frenchbloom.seesaa.net/article/141536603.html
□「カンヌ映画祭受賞結果」(exquise)
http://frenchbloom.seesaa.net/article/120237399.html
□「エリック・ロメールを偲んで」(不知火検校)
http://frenchbloom.seesaa.net/article/139127142.html
□「WiiにOui - フランス老人ホームのレクリエーション」(キャベ男)
http://frenchbloom.seesaa.net/article/110983393.html
□「年末企画:2009年のベストCD」
http://frenchbloom.seesaa.net/article/136399312.html
□「フランス語の野球用語 - Je suis 'troisieme-but' ?」(superligt)
http://frenchbloom.seesaa.net/article/63304121.html
□「フランスの雑誌がレポートする日本の「草食系男子」の実態」(superlight)
http://cyberbloom.seesaa.net/article/128385171.html

★フランス語検定試験(文科省後援、5級から)
http://www.apefdapf.org/

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2011年04月05日

フランス産業界の半分が日本に依存

日本列島からの部品供給が途絶えたことの影響は、当面は限定的だといえるが4月末にはより深刻になる可能性がある。

エリック・ベッソン産業相は、月曜日、日本製の部品調達が困難に直面していることについての討論会の後、安心を装いながらも警戒感を隠さなかった。「注視することが必要で慌てることはない」と議論をまとめ、実質的にせよ独占的にせよ日本製で占められている部品の長いリストを披露した。ハードディスク、デジカメ用センサー、トランジスタ、パソコン用バッテリーなど。「世界の電化製品市場のうち20%が日本によって占められており、すくなくとも30の部門で日本製が70%となっている」とベッソン産業相は述べた。

精密機械などの財をその国土で生産している日本であるが、産業界全体に及ぼす影響がどの程度であるか、依然として不明である。目にみえるかたちの物質的損害のほかに、地震の揺れや電力供給のストップで、それらが高性能の機械設備にどれほどの影響を与えたのか見分けるのも時間がかかるだろう。道路、港湾、電気、電信インフラへの被害も未知数である。しかし、安心すべきことは、リチウムイオン電池の70%が日本製であるからといって、日本製品の100%がストップしたわけではないということである。ただしその一方で、実際の比率がどうであるかは不明である。これに対しフランス政府は、インターネットサイトを開設して、企業が互いに情報を確認できる仕組みを整備している。

さしあたっては、供給の断絶を嘆く必要はない。製品の多くは地震前に日本を出港しており、懸念すべきは4月末のことである。実際のところすべては日本列島の状況の進展具合にかかっている。これについては観念するほかなく、フランスの産業界全体になんらかのかたちでかかわってくる。

まず最初に電子産業、自動車、さらには通信、国防、航空、化学、小型家電などである。ルノーやプジョーシトロエン、タレス、エス・ティー・マイクロエレクトロニクス、エアバス、サジェム、セブなどである。「たった一つでも供給が断絶するとそれがつぎつぎに連鎖していってしまう」とベッソン産業相はいう。たとえば、プジョーシトロエンはディーゼルエンジンの部品が一つ欠落しているために、ヨーロッパでの生産を遅らせることになってしまった。「けれども、企業の大半はべつの供給先も確保しており、中国や台湾での部品調達も視野に入れている」と産業連合会(GFI)のピエール・ガタズ会長はいう。

エリック・ベッソン産業相は、困難に直面するであろう企業への支援対策として3つの方針を打ちだしている。下請け仲介業者の活用、銀行に企業支援を願うこと、従業員の一時解雇を認めることなどである。「この危機で、電子産業における日本の優位とそれにフランスが依存していることがあきらかになった。さらにはフランスの最先端技術のより適切なルート構築への再考をうながす」とピエール・ガタズは述べている。


La moitié de l'industrie française dépend du Japon
Par Elsa Bembaron
Le Figaro 29/03/2011



traduction : superlight@super light review

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2011年03月30日

3月の1曲 “You Are Not Alone” Mavis Staples

あの日。夜遅く帰宅して、テレビのスイッチを入れて、言葉を失う。ショー直前に解任されたデザイナーのことはどこかにいってしまった。あの日から、自分の中のピースがひとつ失われてしまったようです。

今はただ無力で、できる事はごくごく限られていて、報道される被災地を見つめていることしかないのだけれども、これからの長い日々、かかわってゆきたいと思っています。

メイヴィス・ステイプルズの豊かな歌声に、言葉にならなかったものを託したくて、この曲を選びました。

「あなただけではない
 夜はいつも
 あなたと同じ思いを抱えて過ごす
 みんなの顔をつたう涙の味は
 同じ

 夢破れ 心傷つき
 孤独で おびえている
 ドアを開けて! さあ踏み込むよ
 あなたにわかってほしいから
 ひとりぼっちではないことを。」

by Jeff Tweedy

こちらで聴いてみて下さい。http://youtu.be/cYCp98McUc8


You Are Not Alone
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2011年03月04日

WHOLE EARTH CATALOG (1) ペーパーバック形式のグーグル

wec01.jpg去年の10月「 Whole Earth Catalog 」 の全ページがウェブサイト上に公開された。 WEC はスチュワート・ブランドによって1968年創刊されたアメリカのカウンターカルチャーのカタログ。98年まで断続的に続いた。WEC はクリエイティブで持続可能なライフスタイルのために有用な商品―それは服であったり、本であったり、道具だったり、機械だったり―をリスト化したものだ。WEC は自ら商品を売ることはしないが、商品のベンダーと値段が記され、頻繁にアップデートされた。アップルのスティーブ・ジョブズが有名なスタンフォード大学でのスピーチで WEC に言及している。

"When I was young, there was an amazing publication called The Whole Earth Catalog, which was one of the bibles of my generation.... It was sort of like Google in paperback form, 35 years before Google came along. It was idealistic and overflowing with neat tools and great notions."

ジョブズは WEC を「60年代後半のパソコンもない時代にすべてはさみとタイプライターとポラロイドカメラで作られた。それは WWW のコンセプトの先駆であり、Google が生まれる35年前に作られた、ペーパーバック形式のグーグルだ」と言っている。またジョブズはスピーチの最後のメッセージとして1974年号の裏表紙に書かれていた言葉 "Stay hungry, stay foolish.” を引用している。

ブランドは創刊号に地球全体 (Whole Earth) のイメージとして宇宙から見た地球の写真を使った。彼はそれが「共有された運命の感覚」を呼び起こす力強いシンボルだと考えたからだ。スタンフォード大学卒のブランドは芸術と社会に対する強い関心を持った生物学者で、エコロジー的に社会的に公正な方向にそってアメリカの産業社会を全面的に刷新することにコミットしていく大きなうねりがあると信じていた。WEC はそのうねりを支えるものとして構想された。

The counterculture's scorn for centralized authority provided the philosophical foundations of not only the leaderless Internet but also the entire personal-computer revolution. カウンターカルチャーは中央集権化された権力に軽蔑心を示し、それが、リーダー不在のインターネットの世界だけでなく、PC革命に対しても哲学的な基盤を与えた。

Forget antiwar protests, Woodstock, even long hair. The real legacy of the sixties generation is the computer revolution. 反戦の抗議活動、ウッドストック、そして長髪も忘れてしまっていい。60年代の真の遺産は、コンピュータ革命だ。

梅田望夫はブラントの2つの発言を引用し、彼は60年代カウンターカルチャーと PC 革命のつながりを象徴する人物だと述べている(『ウェブ時代 5つの定理』)。アメリカのコンピュータ産業は軍事目的で始まり、第二次世界大戦後は政府や大企業が管理の道具としてコンピュータを利用し始めた。このような「コンピュータ=情報の集中化・管理」というイメージの担い手は IBM のような東海岸の大企業だった。一方西海岸では、1975年ごろハッカーたちを中心に手作りでコンピュータを作ろうという気運が高まり、集結した若者たちが誰でも安く買える PC を作り出そうとした。PC は最初から個人の能力を底上げする道具として、個人が権威と対抗しうる革命的な道具として作られた。70年代の PC 革命から現在未だなお続いているウェブの進化の背景には、テクノロジーこそが反中央、反権威、アンチ・エスタブリッシュメントの力になり、同時にそれによって個をエンパワーし、フロンティアを切り開こうという思想的な背景がある。

□WHOLE EARTH CATALOG http://www.wholeearth.com/


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2011年02月28日

2月の一曲 “Love Has No Pride” Bonnie Raitt (1972)

もはや「ヴァレンタイン・デイの月」、になってしまった2月に、あえてトーチソングのクラッシックを選んでみました。

ずばりタイトル通りの内容。あなたにまた会えるのなら何だってする・・というリフレインだけでも切ないのに、胸揺さぶるサビのメロディがたまらない。「そういう状況」に身を置いていなくとも、しんみりしてしまいます。

歌い手をその気にさせてしまう曲なようで、この歌の作者も含め男女とりまぜいろいろなバージョンがありますが、ボニー・レイットの歌ったものが個人的に一番だと思います。

思い入れしやすい歌詞に、盛り上げてくれるメロディのおかげか、ついつい歌い上げ上滑りになったり、過剰に甘くなるパターンに落ちてしまうのが多い中、地に足の着いた歌いっぷりなのがまず違う。そして「説得力」がある。共感できない嘆きをえんえんとまくしたてられても困ってしまいますが、丁寧に、繊細に歌われる「痛み」にはつい耳を傾けてしまいます。

そして、歌の力で、歌詞が描くヒロイン像を超えたところを垣間見せてくれるのがいい。歌詞だけ読むと過去にしがみつく哀しいヒロインが浮かびますが、ボニー・レイットの歌には、やり直せるものなら・・・という言葉とは裏腹に、愛を失った事を受け入れまた歩き出そうとする姿が見いだせます。彼女の声にある、いい意味での「真面目さ」がそうさせてくれるのかもしれません。

歌い手の個性と、それに引き合ういい歌とが結びついた時に起こるマジック・モーメントの例だと思うのですが、いかがでしょう。男子はナチュラルなコケットがあるリンダ・ロンシュタットの歌を好むようですが、女子が支持するのはやはりボニーのほうでしょう。


聞いてみたい方はこちらをどうぞ。ライブバージョンですが、弾き語りでじっくりと、聴かせます。

http://youtu.be/KbqXMQCq59U


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