子供の頃、テレビのCMでやたら流れている曲があってそれがギルバート・オサリバンの「アローン・アゲイン Alone Again (Naturally)」であったことを知ったのは相当後になってからのことです。ゆっくりとしたリズムと、一度聴いたらすぐに口ずさんでしまえるような親しみやすいメロディのこの曲は、年月を経ても色褪せることのない名曲中の名曲です。品のある優しい声は、どこか乾いていて寂しげ(「アローン・アゲイン」はひとりぼっちになってしまった男の悲しい歌でもあるのです)に聞こえ、それが秋の空気のイメージと重なるのかもしれません。彼のナンバーは、この曲のほかにも "Clair" や "What's in a Kiss" など、CM や映画で多用され、どこかで一度は耳にしたことのある名曲ばかりなので、まずはベスト・アルバムをお聴きすることをおすすめします。ところでその昔、ポール・マッカートニーが彼を自分の後継者として認めたという話ですが、そのポールはいまだ現役・・
1970年代にパンクバンドとしてデビューし、次第に凝った音作りをする職人的気質を帯びていったイギリスのバンド XTC が、これまた独創的なソングライターであるトッド・ラングレンによるプロデュースのもとで1986年に制作したアルバム「スカイラーキング」。XTC のフロントマン、アンディ・パートリッジとラングレンの仲が制作中に険悪になり、アンディ自身が「失敗作」であると言い放ったアルバムながら、美しい旋律の曲ぞろいで XTC のアルバムのなかでも大人っぽく落ち着いた作品(その反動か3年後に出た次作 Oranges & Lemons はサイケ色の濃いはじけたアルバムでした)に仕上がっていて、個人的にはいちばん好きです。実はこの作品は夏の一日の時間の移り変わりをテーマにして作られたものだそうですが、一曲目の冒頭に聞こえる虫の声をはじめ、後半に出てくる映画のサントラ風の曲調などがどこか秋をイメージさせます。アルバムとしての統一感もすばらしい(とりわけ前半の流れが絶妙)ので、これはシャッフルではなく一曲目から通して聴いていただきたいです。
CDショップで何の気なしに買ってみたファーストアルバムが予想以上によかったフランスのバンド、オーウェル Orwell。昨年10月にの2枚目のアルバムが発表されていたことをつい最近知り、聴いてみたところこれが前作を上回る秀作でした。ファースト・アルバムでギルバート・オサリバンの "Clair" をカヴァーするなど、ノスタルジックなポップスへの嗜好を示していた彼ら、今作もその路線を変えることなく、さらにソングライティングのセンスに磨きがかかっています。ほとんどの曲はフランス語(アルバム中の1曲Elémentaireをお聴きください)で歌われていますが、実にしっくりと曲にはまっていてフランス語ロックの名作のひとつともいえるでしょう。全体に漂うレトロな雰囲気がこの季節にぴったりです。exquise@extra ordinary #2
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