
VIAのペルセ駅からは車で15分、高速バスのバス停からはペルセ海岸がすぐ目の前。ここは東端にある“ペルセ岩”でカナダでは有名な観光地。高さ88メートル、長さ430メートル余りの巨大な長方形の岩で、一部に穴があいている。朝日、夕日に輝くその姿は崇高で、思わず何枚も写真を撮ってしまう。断崖ギリギリのところに畑や古い建築様式の民家が点在し、白壁に赤や黄、青の屋根や窓枠の家々が美しい。

夕方、ペルセ岩を望む突堤では、人々が並んで釣り糸を垂れる。擬餌でサバが次々と釣れるが、観光客以外でも持ち帰る人は少なくリリースしている。サバを食べる人は少なく、燻製が売られている程度。聞くと「アジアの食材だから…」との返事だった。沖合ではタラが釣れる。かつてはタラ漁で栄えた場所である。宿のご主人の船で朝5時からタラを釣りに出て、庭で一緒に三枚に下ろした。頭や内臓は食べないらしい。すべてを食べる日本のタラ鍋を自慢した。舌の煮込み料理があると聞いていたが、レストランのメニューでは見つけられなかった。代表的なものはシンプルなタラのムニエル。フランスのノルマンディー風にクリームソースがかかっているものが多い。川しかないケベック市やモントリオールと違って海に面していても、同様にタラ、鮭、鱒、カレイなど、食材とする魚種は少ないようだ。

オマール(英語:ロブスター)やカニはケベック市やモントリオールでは高い食材だが、付近のキャンプ場のキャンピングカーの人達が買い物しているペルセのコープでは、大きなものがひとつ8.00カナダドルだった。宿のキッチンで、持参のお米を炊き、お味噌汁を作って、オマールにかぶりつく。次の日の夕食は地元の人のお勧めのレストラン「メゾン・ド・ペッシェ」(漁師の家)で。メインは鮭かタラを選べたが、タラのレモンソースのコース(37.00カナダドル)を。最初に出たポタージュには珍しく海藻が入っていた。帰りのVIA鉄道の車内レストランでもタラのバターソテーのコースを食べた(15.00カナダドル)。表面がカリカリでおいしかった。VIAの乗務員の人たち、同席の人たちとの会話が楽しかった。魚の加工工場を訪ねたが、会話を交わしたペルセの町の人々は温かく気さくで、また訪れたい場所。
Sophie@カナダ−ケベック便り
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