2009年09月15日

黒カナリアのぶらりアイルランド一人旅 (5)殿下とギネス

irelande05.jpgアイルランドに行くなら見たかったものがある。モハーの崖(写真、上)である。大西洋に臨むアイルランドの西の果て。よくCMにも使われる巨大な崖。それを見るのにレンタカーならぬ身にはバスツアーしかない。このガイドのルーニーがしゃべることしゃべること。ぼこぼこ道をたくみに走らせつつしゃべるわ、ジョークを飛ばすわ、歌も歌い、時には崖で馬鹿なことしそうなアメリカの青年に注意までするという正にアイルランド人らしい多芸多才ぶりだった。悲しいことにその解説が、歴史ウォーキングに参加した身には同じ話を結局三度聞かされたわけである。とうとうと語られる悲劇の連続に辟易しながらも車窓の景色は美しい。淡い緑にクリントと呼ばれる特殊な積み方の低い石垣。牛、馬、羊、ヤギがのんびり草を食むいかにもアイルランドなのどかな情景(写真、下)。海岸線も晴れならば楽しかろう。

休憩中に少し言葉を交わしたのでこちらが日本人とわかったルーニーが、わたくしの物腰がその優雅さゆえに美智子さまを思い起こさせたーのならいいけど当然そうではないが・・・

「今日は日本から来られた特別ゲストがいるので・・・」と25年前に陛下がアイルランドを訪問されたときの話をし始めた。まだ殿下だったこのとき、有名なギネスビールを本場のパブでテレビ取材なしで飲みたいと所望された。そしてキンバラの小さな村のパブが選ばれ、店主にその旨が伝えられた。あるVIPがギネスをこのパブで飲みたいとおっしゃってる。全て隠密にことを運んでくれるか。―へえ、そのVIPってのは一体どなたで?―日本の将来のエンペラーである。この件は極秘だぞ。−なんと!もちろん秘密にいたしますとも。

と一週間後、最少の警備だけを連れてパブの前で降り立った皇太子ご夫妻を村人二百人が総出で日本国旗を振って出迎えた。小さな村での秘密の扱われ方がわかるでしょ。というオチなのだが、なかなか粋な話ではないですか。村の中では全てツーカーでも彼らはテレビ局にはこの話を漏らさなかったので他所に伝わることはなかった。

irelande06.jpg

村人たちはプリンセス・ミチコの優雅な物腰と美しさにいたく感銘を受けたそうである。常に衆人環視にさらされるご夫妻もここでの村人の素朴な歓迎と絵のように美しい自然と小さなパブでのギネスの味には感激されたのではないかとわたしも思う。帰って聞いてみるとB&Bの主人もこの殿下のゴールウェイ訪問についてはよく覚えていた。

未だ独立国として日が浅いアイルランドの、しかも西の田舎の人々にとって、東洋から訪れた来賓は長く記憶に残っているようです。

そんなこんなでたどり着いたモハーの崖。あいにくの雨だったけれどスケールは大きかったです。




黒カナリア@こんな映画あんな映画+一人旅

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posted by cyberbloom at 22:26| パリ ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | こんな映画あんな映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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