昨年の初来日に引き続き、パトリシア・プティボン Patricia Petibon がまたやってきた。今年はなぜか大阪に来てくれないので、しかたなく山積する雑用を放ったらかしにしたまま、のこのこ東京まで聴きに行ってきた。私が観たのは、10月31日の東京オペラシティコンサートホールでの公演。

この日のプログラムは、東京フィルハーモニー交響楽団(デイヴィッド・レヴィ指揮)との共演。歌なしのオーケストラ曲とプティボンの歌唱がほぼ交互に並ぶ構成である。前半はモーツァルトとハイドン。もちろん悪かろうはずはないが、お茶目なプティボンが好きなミーハーファンの私から見ると、少々正統派的におすまし気味という感じ。見どころはむしろ、圧倒的に後半だったように思う。バーバーとバクリでしんみりとさせておいて、バーンスタインの「着飾ってきらびやかに」(「キャンディード」)で大爆発! こういう、いろんな感情が高速度で切り替わっていくようなタイプの曲が、やはり彼女の魅力を一番引き立てるようだ。フロラン・パニー Florent Pagny のライブDVD(Baryton(2005))でのパフォーマンスをはじめて見たとき、この曲はまさに彼女のためにある!と強く感じたものだが、今回目の前でいっそうパワーアップした名演を見せられ、その感をさらに強くした。最後の曲はハロルド・アーレンの「虹の彼方に」。とてもよかったが、オーケストラの音がほんのちょっぴり大きすぎ、彼女の声がその中に埋もれ気味だったのが少々残念。アンコールの Everytime we say goodbye(コール・ポーター)は洒脱で自然体でいうことなし。プティボンの間口の広さを改めて認識させられた。
この日はサイン会もあり、アンコールが終わるやすぐにロビーに出て行列に並ぶ。サインをしてもらうとき至近距離で見た私服姿のプティボンは、思っていたよりも小柄な、可憐な感じのひとだった。
■以前当ブログで書いたプティボン関連の
記事はここ。
■上記フロラン・パニーのライブDVD
Baryton(PAL盤)には、プティボンのソロ(「着飾ってきらびやかにGlitter and Be Gay」を含む)が2曲、パニーとのデュエットが3曲収録されている。
Universal (2007-01-08)
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posted by MANCHOT AUBERGINE at 21:22| パリ ☀|
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