2010年01月26日

ちょっとしたカルチャーショック

TAXi2 スペシャル・エディション [DVD]先日、授業中に映画鑑賞をしていたときのこと。ちょっと古い映画であるものの毎年学生さんの評判がいいので『TAXi 2』をよくとりあげているのですが、観劇中ふとあることに気がついてカルチャーショックじみたものを感じました。この映画では案外エゲツない描写がちりばめられてるんだなぁ、と。

まずその一つ目ですが、冒頭付近で主人公のダニエルが恋人のリリーの実家を初訪問する場面からはじまります。リリーの父親というのがフランス軍の幹部で、公私混同もはなはだしく普段から話す口調がやたらと軍人っぽくて、とっつきにくいところがある。ところが、飄々とした&物怖じしない性格のダニエルはエスプリの利いたやりとりで対応し、この父親と意気投合することに成功します。

そして、ぼくが気になったのはその直後で、リリーの父親がアルジェリア戦争での武勲を誇らしげに語る場面。この自慢話をリリーと母親はさんざっぱら聞かされているらしく、気もそぞろに聞き流している一方で、恋人の父親に配慮をしているのか、ダニエルはふんふんとそれなりに真剣に聞いている。ここで、「あ」と気がついたことがありました。

というのも、ダニエルはフランス旧植民地国の移民という設定であり、で、この(アルジェリアからの?)移民であるダニエルに対し、フランス軍の幹部がアルジェリア戦争の武勲を語るというのは、ある種のブラックジョークになるなぁ、と…。

このことに気がついてみると、さらにほかのところでもおなじようなブラックジョークではないかと思われるエピソードがみつかります。それは物語終盤で、ダニエルたちが日本のテロリストヤクザ集団を追いかけてマルセイユからパリに移動するときのエピソード。時間に余裕のないダニエルたちは、リリーの父親の操縦する軍用機をつかい、愛車もろともパラシュートをつかってパリに到着します。これって、アルジェリア戦争時、アルジェリア独立に反対する現地の進駐軍がクーデターを起こしてパリにパラシュート部隊をぶちこもうとし、フランス国民を恐怖のどん底に陥れたことを踏まえているんじゃないのかなぁ…。

このように外国映画ってのは、その国のことを知識としてある程度知っていたとしても、やはりその国民でないとすぐには気がつかないエピソードがかなりあると思います。みなさんのなかにも、ぼくとおなじように、外国映画で何気ないエピソードだと思っていたのが、あとになってそれになんらかの意味やメッセイジが含まれていると気がついたケースはありますか?



superlight@super light review

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posted by cyberbloom at 23:30| パリ ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | SUPER LIGHT REVIEW | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
映画「シックス・センス」で、幽霊の女の子が差し出したメッセージを再生すると彼女が養母にじわじわと殺されていく瞬間が暴かれる、というシーンがありました。現実のアメリカで起こりうる恐ろしい現象を、あえてさらりと描いてあざやかに挿入してしまう監督の手法に驚くと同時に、映画評でそのことに触れているものが皆無だったことも衝撃を受けました。
Posted by Isao at 2010年02月02日 22:04
Isaoさん、コメントありがとうございます。つまり、そのシーンはアメリカの現実に照らすとあまりにノーマルなことなので問題にならないという意味ですね。確かに映画のなかであっさりスルーされるものほど重要だったり、そのコードを持っていない異文化から見ると衝撃的だったりします。英語でブログやっていらっしゃるんですね。また読ませていただきます。
Posted by cyberbloom at 2010年02月03日 12:18
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