2010年05月28日

ハローキティーの対照的な運命

ここ10年、国内ではうまくいっていないが、サンリオの有名キャラクターは世界的名声を謳歌している。

キティーは36歳の誕生日をむかえた。お菓子から婚約指輪をはじめとしたダイヤの装飾品など、あらゆる分野に商品化された「キティーちゃん」という日本のキャラクターは―そのボーイフレンドであるクールな性格の「ディア・ダニエル」にとってはどこ吹く風であるが―、最高と最悪の時を味わった。もはや年の衰えを無視できなくなったキティーは1974年にサンリオという会社が生みだしたキャラクターであるが、先日そのサンリオは10年連続して日本での売上げが減少しつつも取引高は6億5000万ユーロに達したと発表した。

キティは10年前から様変わりした。その関連商品は子どものみならず大人も対象としている。さらに真の「世界を股にかける人」となったが、これは人口問題に悩む日本にとって必要なことである。「海外での売上げは日本国内での売上げを越えています。もはや、日本のというよりは世界的なキャラクターになっているのです」と、CLSA社のアナリストであるナイジェル・マストンは指摘する。サンリオは成長をあてこんで、中東やインド、ロシアなどへの進出を目論んでいる。

ファンが株主になる
ところが国内においては、キティは過去の栄光の上にあぐらをかいている。キティは「リロ&スティッチ」といった新しいキャラクターに水をあけられるようになってしまった。株式市場では、サンリオの創業者・社長である辻 信太郎が社の資産運用に失敗してしまったのを期に、アナリストたちの恐怖の的となっている。「辻 信太郎は自らをウォーレン・バフェット(訳注:アメリカの著名な投資家)とみなしていた。彼は最高値のときに株を買い、最安値のときに売ってしまうのです」と、あるアナリストは皮肉っている。

2002年、東京でITバブルがはじけたときにサンリオは倒産寸前までいってしまった。いまや機関投資家からは見向きもされなったが、その銘柄は小口株式保有者(たいていはサンリオのファンである)にかこまれて輝きを取りもどし、またその彼らがグループの筆頭株主となった。

キティーは、任天堂のマリオやセガのソニック、ポケモンといった現代日本ポップカルチャーが生みだしたキャラクターたちの系譜の草分けである。

商社の丸紅は、ここ10年間での日本文化の輸出は3倍になったと見積もった。これは180億ドルにものぼり、その一方で工業製品の輸出は20%の伸びにとどまっている。日本は依然としてアメリカと並び、そのポップカルチャーが世界的影響力をもつ唯一の国でありつづける。


Les destins contrastés de Hello Kitty
Par régis arnaud
24/05/2010
Le Figaro



ガラパゴス化する日本 (講談社現代新書)訳者付記:いま『ガラパゴス化する日本』(吉川尚宏 講談社現代新書)という本を読んでいる最中なのですが、当記事とこの本をあわせて読むと、いまの日本の産業構造の一端が垣間見えるように思います(「ガラパゴス化」ってのはwikipediaの項目にもなっていて、それによると「生物の世界でいうガラパゴス諸島における現象のように、技術やサービスなどが日本市場で独自の進化を遂げて世界標準から掛け離れてしまう現象のことである」とあります)。いま現在の日本はアニメ、キャラクターグッズといったソフトコンテンツ産業は海外市場にも進出し順調に成長を遂げているようですが、その一方で『ガラパゴス化する日本』にあるように携帯電話や地デジなどいくつかの分野において「自閉」してしまっていることが問題視されています。また同書でも指摘されているように、最近の日本人の若い人たちの間では「ガラパコス化=海外離れ」が目立つようになったといわれますが、大学生のみなさん、国内で自足するのではなく、キティちゃんに負けずにどんどん海外にも目を向けて視野を広げてくださいね…。




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posted by cyberbloom at 00:38| パリ 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | SUPER LIGHT REVIEW | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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