2010年06月30日

6月の音楽 “Telephone” Shelby Lynne

雨に降り込められた休日の午後。何にもやる気が起こらなくて、ぼんやりする。そんな時についかけたくなるのが、この1曲。

Identity Crisisカントリーとロックをまたぐ形で活躍するシェルビー・リンをone & onlyな存在にしているのは、その声だ。どろどろやじめじめや媚び媚びをみじんも感じさせない、1本筋の通ったドライな声。かといって、単にさばさばした印象だけのザツな歌い手ではない。歌に向かう姿勢はとても繊細だ。メロディーや言葉とつかずはなれずのいい関係が作れる。(これは訓練によるコントロールではないと思う。)アホらしい例えかもしれないけれど、シェルビーの歌声には、飾らない魅力の理屈抜きにいいオトコを見かけた時の「お」というあの感じに、通じるところがあると思っている。(シェルビー本人も耳から知った人を裏切らないルックスの持ち主なので、歌う彼女の姿は、いやなかなか。)

酔っぱらって昔の誰かさんについ電話をかけてしまい、出ると思わなかった相手に言い訳している、そんな内容の歌だけれど、シェルビーが歌うと、電話をかけてしまった「わたし」がふっとはまりこんでしまったエアポケットのようなひとときがリアルに伝わってくる。寂しいとか孤独とか、そんなわかりやすいもんじゃないんですよ。

「わたし」がつかまった無為と、自分が過ごす無為がどういうわけかすっとつながって、「まあそんな日もあるよね」という気分にさせてくれる。音楽にはいい意味でのwaste of timeという働きがあるけれど、この曲はまさしくそういった類いのものだと思う。

でこぼこの少ないあっさりしたメロディーに絡む、アコースティックギターがじゃかじゃか鳴るリラックスしたバックの音。遠くで夢のように囁く間の手コーラス隊も加わって醸し出される、インティメイトなムードもいい感じ。

アルバムに収録された曲をそのままお楽しみください(味もそっけもない画像ですが)。

http://www.youtube.com/watch?v=lqBQWldyLhI

この曲が入っているアルバムの別の曲を歌うシェルビー。

http://www.youtube.com/watch?v=zVUAE2ggUvU




GOYAAKOD@ファッション通信NY-PARIS

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posted by cyberbloom at 18:00| パリ | Comment(0) | TrackBack(0) | ファッション通信 NY-PARIS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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