2010年09月03日

日本政府が死刑執行刑場を公開する Le Japon montre ses salles d'exécutions

先進国のなかでは珍しく死刑制度を維持している日本が、はじめて死刑が執行される刑場をメディアに公開した。先月、死刑執行のサインをした千葉景子法務大臣は、死刑制度についての国民的議論が交わされるようにと、絞首刑が処せられる部屋へのメディアの立ち入りを許可することとしていた。

見学は東京拘置所においておこなわれた。窓のないガラスのはまった部屋の床には、踏み板の目印となる赤いテープで四角く囲まれたスペースがあり、手錠をかけられ目隠しをされた死刑囚の足元でその踏み板が開くという仕組みになっている。踏み板は、隣接する部屋の壁にとりつけられた3つのうちの1つのボタンによって開く仕組みとなっており、このボタンを押す3人の刑務官にはどれが作動するのかは知らされていない。NHKや民法メディアの映像によると仏壇の用意された教誨室があり、死刑囚は執行前にここでお祈りをすることができる。

アメリカと日本は、ヨーロッパ諸国や各種人権保護団体によって非難されている死刑制度を維持している唯一の先進民主主義国家である。とくに非難を浴びている点は、死刑囚が刑執行の直前までそのことを知らされないことと、家族は刑が執行されたあとでしかその事実を知らされないことである。現在107人の囚人が死刑囚として服役している。

アムネスティー・インターナショナルは、拘留中ほとんど孤立させられている状態のせいで、死刑囚のうちの何人かは発狂してしまうと述べている。政府当局は国民に支持されているという理由で死刑存続を主張している。2009年9月に政権の座につくまでは、民主党はこの問題について「国民的議論を促したい」と公約していた。弁護士であり個人的に死刑制度に反対する千葉大臣は、この7月に2人の死刑囚の刑執行に立ちあった。「あらためて死刑について広く議論することが必要だと感じた」と大臣は述べた。

(訳者註:先進国にもかかわらず日本がいまだに死刑を存続させている、といった具合に暗に非難するトーンで書かれていますが、死刑廃止がその加入条件ともなっているEUのリーダー格としての自負がフランス側にはあるのかもしれませんね。





ところで、死刑存続の賛否についてのぼく個人の意見ですが、ずいぶん以前から存続or廃止のどっちがいいのだろうかとことあるごとに考えてきましたが、いまだに結論はでていません。死刑が存続したほうがいいという理由は、まず遺族感情を考慮して。世界とくらべても圧倒的に殺人事件の発生率が少ない日本にあって、「過失」などによらず家族を奪われるというのは相当な心痛をもたらすものと思います。さらに死刑が適用されるのは実質上凶悪な殺人事件に対してのみである以上、日本において死刑を望む声が多いのには納得できる部分があります。その一方で、死刑制度へのぼくの疑問点ですが、まずは死刑判決が冤罪であった場合どうするのかということ。実際に袴田事件などがその疑いにかけられていますが、もしも冤罪である死刑囚の命を奪ってしまえば、罪のない人の命とその無実を証明する機会も奪ってしまうことにもなります。そして、冤罪事件というのは実際にはそれほど多くはないかもしれませんが、死刑囚が手紙などで遺族に謝罪し、結果として死刑囚と遺族が心情的に和解するケースがけっこうあるようです。こうした場合にかぎれば、ぼくもふくめて日本人の多くの人たちが主張する「遺族感情」という死刑存続を望む理由そのものが解消されることになってしまいます。さらにここまでは、死刑囚と遺族という個人レヴェルの問題に焦点を絞りましたが、死刑制度は「犯罪抑止力」として「機能する」あるいは「機能しない」などといったような、どちらかというと社会学的な議論もからんできます。こうなってくるともう、専門的に研究でもしないと判断のしようがないところにまで立ちいることになってしまいます。いずれにしても、死刑制を廃止しているヨーロッパ諸国でも、国民の大多数が死刑廃止を支持しているというわけでなく、この問題は一筋縄ではいかないデリケートかつ重大な問題であるということがわかりますね。命の重みというのがほんとうに実感できます…)



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posted by cyberbloom at 21:36| パリ | Comment(0) | TrackBack(0) | SUPER LIGHT REVIEW | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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