『ノルウェイの森』の音楽を、レディオヘッドのジョニー・グリーンウッドが手がけると聞いたとき、大げさですが「奇跡」が起きたように感じました。レディオヘッドのフロント・マン、トム・ヨークは村上作品のファンだそうだし、村上氏も『海辺のカフカ』で主人公のカフカ少年が聴いている音楽として挙げるくらいレディオヘッドを愛好しているようだし、トラン・アン・ユン監督もこれまでの作品のサントラにレディオヘッドの曲を使っているし、三者は相思相愛状態なのはわかっていたのですが、まさか映画作品の音楽全体を本当にバンドメンバーが担当するとは思ってもみませんでした。何でもジョニー・グリーンウッドは最初にオファーを受けたとき断っていたらしいですから・・。そういう夢のサントラが実現したのは、ジョニー・グリーンウッドが過去に音楽を提供した『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の存在があったからなのは確実でしょう。彼が初めて音楽を手がけたこのメジャーな映画作品は、ポール・トーマス・アンダーソンという一癖も二癖もある監督によるもので、油田に取り付かれた強欲な男と、彼に土地を奪われた狂信的な牧師の青年との確執が描かれたものです。映画の重苦しさに負けぬほど、緊張感に満ち、不安をかきたてるジョニーの抽象的な音楽は、ロック・ミュージシャンが映画のサントラを担当したものでも、今までに聴いたことのないような非常に特異な音で、物語ともども深く印象に残りました。158分という長さで、内容的にも鑑賞にエネルギーを要する映画ですが、見応えは十分ですので、音楽ともどもじっくり味わってみてはいかがでしょうか。
exquise@extra ordinary #2
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