2010年12月07日

音楽で観るフィギュアスケート 2010-2011 The Up-And-Comers!

またまたこの投稿を書く季節がやってきました。オリンピックが終わって、今シーズンはトップ選手が引退したり競技に出なかったりするなか、若いスケーターたちが試合に次々登場しています。なかでも男子シングルはショートプログラムから4回転ジャンプを取り入れる積極的な選手が増えて活気があります。今回は、ショートプログラムで印象的な音楽を使用している若手の男子選手を何人かご紹介しましょう。


Moanin' by Art Blakey, Drum Thunder Suite by Art Blakey - Kevin REYNOLDS (CAN)

reynolds.jpgピノッキオみたいな少年だったカナダのレイノルズ選手も身長がぐんと伸びて大人っぽくなり、アート・ブレイキーの渋いジャズも似合うようになりました。彼は今季4回転ジャンプをショートで2回、フリーで3回入れるという驚異的なプログラムを予定しています。ジャンプが全部決まったら、技術点はすごいことになりそう・・ もちろんこのショートはジャンプだけでなく、彼の長い手足とジャズの雰囲気を活かした振付けも楽しめるプログラムです。昨季はカナダ選手権で3位に終わり、残念ながら地元バンクーバーのオリンピックに出場することができませんでしたが、今季はカナダの2番手に上がってきそうな勢いです。

Kevin REYNOLDS's 2010 short program


Selection of music by Pink Floyd- Artur GACHINSKI (RUS)

gachinski.jpgプルシェンコ以降の選手が伸び悩んでいるロシアにとって、今季のニース杯、フィンランディア杯で立て続けに優勝したアルトゥール・ガチンスキー選手は希望の星だといえるでしょう。弱冠10歳で3回転アクセルを飛んだ彼は、幼い頃から周囲の注目を集めていましたが、今季本格的にシニアの競技会にも出場してきました。ショートプログラムで使われているのはピンク・フロイドの曲を編集したもので、キャッシャー?の音で曲が始まりその音で終わるという、ちょっと変わった構成の音楽です。その独特の音楽に負けず劣らず自己主張の強い彼のスケーティングには、すでに王者のプライドが感じられます。名前も強そう・・

Artur GACHINSKI's 2010 short program


Histoire d'un amour, Nu Pogodi (Russian cartoon soundtrack) - Javier FERNANDEZ (ESP)

fernandez.jpg珍しくスペインから頭角を現してきたハビエル・フェルナンデス選手。バンクーバーでもすでにその表情豊かな演技が観客に人気でした。今季のショートプログラムでは高橋大輔選手と同じ曲を使っていますが、アプローチが全く違って面白い。彼は「ヌ・パガヂー」というロシアのアニメのキャラクター(ちなみに彼のコーチはロシアのニコライ・モロゾフ)になりきって踊っていて、このハデハデな衣装もそのアニメからの引用らしいです。コミカルなポーズやステップが満載のこのプログラムで、今季も会場から大きな歓声を浴びています。高橋選手の色男路線も音楽をうまく活かしたプログラムですが、こちらも一見の価値ありです。

Javier FERNANDEZ's 2010 short program


White Legend by Petr Tchaikovski, arranged by Ikuko Kawai - Yuzuru HANYU (JPN)

hanyu.jpg今季ジュニアからシニアへと上がってきた羽生結弦選手。普段は穏やかな16歳の少年ですが、ひとたびリンクに上がり川井郁子さんの艶やかなヴァイオリンにのせて滑り出すと、表情が一変してまるで歌舞伎の女形のような妖しさです。けれども彼の長所はそのルックスだけではなく、4回転ジャンプもプログラムに取り入れる実力の高さと度胸の良さ。手足が長く顔が小さい、そしてこの演技力と技術力ですから、現時点では次のオリンピックへの最有力候補のひとりといってもいいでしょう。ちなみにこの曲にぴったりな彼のロマンティックな衣装はあのジョニー・ウィアー選手がデザインしたもの。そのうち彼は「和製ジョニー・ウィアー」とか「氷上の玉三郎」とか呼ばれちゃうのだろうか・・

Yuzuru HANYU's 2010 short program


Primavera Porteno by Astor Piazzolla - Denis TEN (KAZ)

ten.jpgバンクーバー・オリンピックで11位に入り、注目されたカザフスタンのデニス・テン選手。今季はフランク・キャロルに師事し、練習拠点をロシアからアメリカへ移しました。アストル・ピアソラのタンゴを使ったこのショートプログラムは、ステファン・ランビエールが振付けしたものです。今季はジャンプに精彩を欠き、競技会では苦戦していますが、それでもプログラム後半のステップに見られる彼の熱いパッションは、ピアソラのバンドネオンの音にぴったりで、やはり観るに値するものだと思います。ぜひ世界選手権にも出場して、より完成度の高いプログラムを披露してもらいたいですね・・

Denis TEN's 2010 short program


amodio.jpgBroken by Lisa Gerard, Apologize by Taio Cruz, Imma Be by Black Eyed Peas, Don't Stop Til' You Get Enough by Michael Jackson - Florent AMODIO (FRA)

昨季のフランス選手権で第一人者のブライアン・ジュベール選手を抑えて優勝し、オリンピックでは12位、世界選手権では15位の成績を収めたフローラン・アモディオ選手。今季のグランプリシリーズでは NHK杯で3位、フランス大会で2位となり、グランプリファイナルへ駒を進めました。マイケル・ジャクソンの曲も取り入れたこのプログラムでは、めまぐるしく変化するスケートで私たちの視線を釘付け。そのアピール度の高い演技は、かつて日本でも人気だったフィリップ・キャンデローロ選手を彷彿とさせます。ただしエンターテインメント性の高い振付けだけでなく、ジャンプもきっちり飛んでくるのが彼の強み。それにしてもフランスには次から次へと個性的な選手が登場してきますね。

Florent AMODIO's 2010 free skating


北京で行われるグランプリファイナルにはアモディオ選手が出場します。日本の3選手ともども活躍を期待しましょう。


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posted by exquise at 19:06| パリ 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | extra ordinary #2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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