2011年04月05日

フランス産業界の半分が日本に依存

日本列島からの部品供給が途絶えたことの影響は、当面は限定的だといえるが4月末にはより深刻になる可能性がある。

エリック・ベッソン産業相は、月曜日、日本製の部品調達が困難に直面していることについての討論会の後、安心を装いながらも警戒感を隠さなかった。「注視することが必要で慌てることはない」と議論をまとめ、実質的にせよ独占的にせよ日本製で占められている部品の長いリストを披露した。ハードディスク、デジカメ用センサー、トランジスタ、パソコン用バッテリーなど。「世界の電化製品市場のうち20%が日本によって占められており、すくなくとも30の部門で日本製が70%となっている」とベッソン産業相は述べた。

精密機械などの財をその国土で生産している日本であるが、産業界全体に及ぼす影響がどの程度であるか、依然として不明である。目にみえるかたちの物質的損害のほかに、地震の揺れや電力供給のストップで、それらが高性能の機械設備にどれほどの影響を与えたのか見分けるのも時間がかかるだろう。道路、港湾、電気、電信インフラへの被害も未知数である。しかし、安心すべきことは、リチウムイオン電池の70%が日本製であるからといって、日本製品の100%がストップしたわけではないということである。ただしその一方で、実際の比率がどうであるかは不明である。これに対しフランス政府は、インターネットサイトを開設して、企業が互いに情報を確認できる仕組みを整備している。

さしあたっては、供給の断絶を嘆く必要はない。製品の多くは地震前に日本を出港しており、懸念すべきは4月末のことである。実際のところすべては日本列島の状況の進展具合にかかっている。これについては観念するほかなく、フランスの産業界全体になんらかのかたちでかかわってくる。

まず最初に電子産業、自動車、さらには通信、国防、航空、化学、小型家電などである。ルノーやプジョーシトロエン、タレス、エス・ティー・マイクロエレクトロニクス、エアバス、サジェム、セブなどである。「たった一つでも供給が断絶するとそれがつぎつぎに連鎖していってしまう」とベッソン産業相はいう。たとえば、プジョーシトロエンはディーゼルエンジンの部品が一つ欠落しているために、ヨーロッパでの生産を遅らせることになってしまった。「けれども、企業の大半はべつの供給先も確保しており、中国や台湾での部品調達も視野に入れている」と産業連合会(GFI)のピエール・ガタズ会長はいう。

エリック・ベッソン産業相は、困難に直面するであろう企業への支援対策として3つの方針を打ちだしている。下請け仲介業者の活用、銀行に企業支援を願うこと、従業員の一時解雇を認めることなどである。「この危機で、電子産業における日本の優位とそれにフランスが依存していることがあきらかになった。さらにはフランスの最先端技術のより適切なルート構築への再考をうながす」とピエール・ガタズは述べている。


La moitié de l'industrie française dépend du Japon
Par Elsa Bembaron
Le Figaro 29/03/2011



traduction : superlight@super light review

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posted by cyberbloom at 22:14| パリ | Comment(0) | TrackBack(0) | SUPER LIGHT REVIEW | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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