
ジャリは『ユビュ』以外にも面白く、そしてかなり難解な詩や小説、評論をたくさん書いているのですが、最近では『超男性』などの翻訳も絶版で、古本で購入するか図書館で借りるかしか読む手がなさそう。
パリのモンパルナス駅からTGVで二時間弱、ブルターニュ地方のお隣、ロワール川流域地方マイエンヌ県にある街ラヴァル。ジャリは、お酒の飲みすぎと、生来体が弱かったこともあって三十四歳の若さで亡くなってしまったのですが、晩年、健康状態がいよいよ悪化してくると、パリとラヴァルを行き来しながら生活していました。パリで独り暮らしをするのがむずかしくなって、ラヴァルにいるお姉さんのもとに戻っていたのです。ちなみに、昨年パリのグラン・パレで大回顧展があったジャングルの絵で有名なアンリ・ルソーもこのラヴァルの生まれ。アポリネールやピカソよりも前に、ジャリはルソーを発見しました。二人は一時期パリで一緒に暮らしていたこともあるとか。ラヴァルは人口が五万人ほどの小さな街ですが、奇人というか天才というか、この二人を生み出したというだけで、この街はすごい。
川のほとりには古城 Vieux château と旧市街。写真では見えにくいとおもいますが、川の真ん中の小さな中州に、かわいく立派なユビュ親父の電飾がありました。今年は街をあげてジャリ関係のイベントをいろいろ企画しているらしく(ジャリ年HP)、この電飾もおそらく2007年限定で貴重です。電飾は夜になると光るんだろうなあ…とかなり見たかったのですが、宿が遠く見逃しました。残念。
会場では各国のジャリ研究者たちもひそかに購入していた様子…。かわいいユビュ親父です。
ubucoucou
PROFILE:フランス留学生活四年目。ずっとパリ十三区住まいです。まずはパリというよりも十三区の中華街になじみました。最近は自分への誕生日祝いと称して、中華街のネイルサロン(人生初)に行ってしまいました。思い立っては、パリところどころを散歩しています。

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