2007年06月06日

パゾリーニ的風景

もう2年前のことになるが、パリの13区で「パゾリーニ・レトロスペクティブ」を見た。

没後30年を記念しての特集だった。高層住宅の谷間の公民館のようなところで、「マンマ・ローマ」、「オイディプス王」などの代表作を上映していた。

また、このフェスティバルの間、フランス国立図書館に隣接するフランス通り(Avenue de France)では、このパゾリーニ・レトロスペクティブに際し、写真の展示もあった。

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この通り、オステルリッツ駅から延びる線路に沿って伸びており、パリ市内とはいえ、どこか郊外の空気が漂う。線路の向こうには、大きくタグが施された古い倉庫が並び、実に殺伐とした景色だ。列車の走る音が聞こえてきても、旅情が誘われることなどない。

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そういえば、パゾリーニの代表作の一つ「アッカトーネ」でも、都市周縁の風景が、印象的に描かれていた。都市周縁の風景は、端的に言えば、どこでもない場所である。おそらく世界中に、似たような風景が広がっているが故に、匿名化された場所。パゾリーニの映画では、人々はそうした場所で殴りあい、犬のように死ぬ。

鉄道に隣接したこの通り、パゾリーニの撮影現場を収めた写真の展示には、実にしっくりときていた。


ピエロ・パオロ・パゾリーニ(Wikipedia)


キャベツ頭の男@どうってことない風景

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posted by cyberbloom at 08:12| パリ | Comment(0) | TrackBack(0) | どうってことない風景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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