カール・ラガーフェルド。ファッション界で知らぬもののない大物。シャネル、フェンディ、そして自身の名を冠したブランドでの仕事はもちろんのこと、写真・挿絵・出版業といった畑違いの分野でも活躍。あっぱれな仕事振りだけでなく、デザイナー本人もワールドワイドな有名人としても広く認知されています。しかし、銀髪に若いコむけのディオール・オムをぴっちり着込んだインパクトのあるあの姿(ダイエット前は黒い扇がトレードマーク)は浮かんでも、ラガーフェルドという人物について知っている方は意外と少ないのではないでしょうか?例えば、彼が68歳で戦前のドイツに生まれたという基本的なことさえも。業界入りのきっかけとなったデザインコンテストで、ラガーフェルドはコート部門、17歳のサンローランはカクテルドレス部門でそれぞれ第一席となった、ときけば、彼がどの世代に属しているのか実感がわいてくるのではないでしょうか。大物オートクチュールデザイナーのアシスタントを務めた後、フリーのデザイナーとしてシャルル・ジョルダン、クロエ等を手がけ「服だけでなく靴から小物、文房具まで」何でもござれの仕事ぶりで業界での地位を確立。フェンディのトレードマークである毛皮を大胆に処理した仕事で名を挙げ、ココの死後「香水のブランド」でしかなくなっていた「死に体」の老舗シャネルを見事に蘇生。今や年商数億ドルといわれるビジネスにした彼の手腕とサクセスストーリーはあちこちで語られている通りです。
しかし、メディアにあれだけ露出しているにも関わらずいわゆる「誰もが知ってる成功話」からはみ出た生身のご本人が見えてこないのは、他人にしっぽをつかませたくないという強い意志の現れなのかもしれません。わかりやすいビジュアルイメージも、リアルな私を隠す煙幕でしょうか。
「ニューヨーカー」誌(2007年3月19日号)が取材したラガーフィールドにまつわるあれこれを並べてみました。アビエイターサングラスに隠された素のラガーフェルドがみえてきます?それともかえって幻惑されるだけ?
・i-pod Nanoを全色そろえている。
・仕事中はダイエットコーラを愛飲。
・パリの有名セレクトショップ、コレットで音楽誌やらCD等これから来るものをあれこれ「お買い上げ」している。
・ファーストファッションチェーンH&Mとのコラボレーションで、宣伝用につくられた等身大のポップアップを自邸に飾っている。
・母親に「指の形が美しくない」といわれたのでタバコには手を出さないことにした。ケミカル系のものとも縁がない。
・「とても幸せだった」子供の頃の自室を自邸に再現した。7歳の頃母から贈られたヴォルテールの絵が飾られている。
・フィッティングの時の微妙な調整も絵に描いて指示する。
・ペーパーバックは読んだページをどんどん破り捨てる。
・ミック・ジャガーのことを“ミッキー”と呼んでいる。
・携帯はもっているが使わない。連絡はもっぱらファクスで。
・取り巻きの一人はNYで出会ったロックミュージシャン、キャットパワー。
・自分自身の記録は一切残していない。デザイン画は描いた端からゴミ箱往き。
・Mac G5を持っているがネットサーフィンはしない。でも新聞の第一面はきちんと目を通す。
・クレジットカードは使わない。
・自邸の部屋の多くは本、雑誌、CD、写真等で覆い尽くされているが、どこに何があるかはちゃんと頭に入っている。
・デザインをするときは白いスモックを着用する。
・ポール・レオトーやコレットが描くパリが好き。
・孤独でいられることは最高の贅沢だと思う。
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