今までそんな話は聞いたことがなかったので興味がわいた。
まず、「空の高さ」とは何か。「空」は気体によって成り立っているため、本来それ自体の「高さ」は存在しないはずである。しかし、気体の中に浮かぶ雲によって、私たちは「空の高さ」を認識するのである。この雲の底の高さを、雲底高度と呼ぶ。雲底は、気温や湿度と関係があり、一般的に気温が低く空気が湿っている方が雲底高度も低くなる。低温高湿である北欧のスウェーデンは、概して雲底高度が低くなると、あるサイトに書かれているのを見つけた。フランスも同じなのだろうか。
また、「空の高さ」は、場所だけでなく季節によっても空の高さは違って見える。
「天高く馬肥ゆる秋」という言葉があるように、秋から冬にかけて空が高く見えるといわれる。この理由は、まず空気が乾燥しているということ、そして気温が低くなって上昇気流が起こりにくくなるからである。それは、どちらも空気中の細かいチリやホコリを減らす働きをするので、空気が澄んでいて空が高いところまで見通せるようになる。その結果、空が高いと感じるのである。さらに秋は「すじ雲」や「さば雲」など、比較的高度の高い雲が広がるため、さらに高く感じる。
これに対して春の空はかすんでいて、見通しがあまりよくない。このため、青い空というよりも白い空で、澄み渡る空ではない。
夏は、もくもくといった積雲が浮かび、これらの雲は比較的高度が低い雲である。このため、感覚的な空の高さを押し下げている。
冬は、しぐれやすく北から雲が流れ込みやすい状態が続くので、やはり空が低く感じる。
上記したのは、空をみたときに我々が感じる空の高さについてだったが、実際の空の高さは冬より夏の方が高い。この場合の空の高さというのはいろんな気象現象が起こる範囲、専門的に言うと対流圏界面までの高さになるのだが、これは夏だと高度12,000メートルぐらい。冬は8,000メートルぐらいになる。だから、同じ入道雲でも夏の方が空高くそびえて見えるのである。
いろいろ調べてみて、人間の感覚や認識は相対的なものだ、ということも改めて感じた。
ria
Profile:K大学D学部H学科1回生です。心理学を学びたくてこの学科に入りました。
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