2008年02月16日

Île de la Réunion

iledereunion01.jpg「フランスには海外県がある」ということをはじめて聞いたのは、高校生の頃だった。その当時は深く考えなかったが、改めて思うとこれはフランス帝国主義時代の名残なのだろう。しかし、現在でも4つの海外県と7つの海外準県・海外領土を持っているというのは驚くべきことだ。ただ、ニューカレドニアやポリネシアでバカンスを過ごすフランス人にとって、フランス語が通じるのは便利に違いない。そんな海外県の中でも、今回はレユニオンを取り上げる。
 
レユニオンは、アフリカの東海上に浮かぶマダガスカルのさらに東に位置する島で、面積2、512平方キロ、人口720,294人である。島の中央部に Piton des Neiges (3070m)、東部に Piton de la Fournaise (2631m) の2つの火山があり、現在はPiton de la Fournaiseのみ噴火活動をしているという。また、島の周囲には多数のビーチが存在し、海と山の両方を楽しめるリゾート地として人気がある。
 
この島特徴とは何なのか。まず初めに挙げなければならないのはその名前だ。なんとこの島は、この名前に至るまでに4回も名前が変わっているのである。1640年にフランス人が上陸してフランス領と宣言し、ルイ13世によってブルボン島と命名されたのが1642年のこと。その後、1789年のフランス革命によってブルボン朝は倒され、ラ・レユニオンと改名された。その後も、「ボナパルト島」、イギリス占領時には「ブルボン島」とコロコロと変わり、1848年現在のレユニオンとなった。どうやらこの島は歴史を体現しているようだ。

さらに、この島にはユーロにまつわる興味深い逸話がある。EU域内において共通通貨ユーロの流通がスタートしたのは2002年1月1日。この日の午前0時少し過ぎに、県都サン=ドニのルネ=ポール・ヴィクトリア市長が、市庁舎前の式典会場に設えられた屋台でライチ1キログラムを0.76ユーロで買った。これが、現金による世界初のユーロ使用とされているのだ。時差の関係でこのようなことが起ったのだが、今ではドルにも勝る影響力をもつユーロのスタートが、ヨーロッパ本土から遠く離れたインド洋上の小島であったというのはおもしろい。

その他にも住民の半数以上が、黒人と白人の混血であるクレオールというレユニオンには、彼らの独自の文化など見所も多い。クレオール語を話す彼らにはフランス語が通じないこともあるらしいが、ユーロ片手に、また島の名前が変わってしまう前にぜひ訪れてみたいものだ。


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