2008年03月05日

上昇と下降

死刑台のエレベーターフランスといえば,その歴史を感じさせる街並がすぐに思い浮かぶ.
パリに限らず,地方都市においても,築200年を超える建物は別段めずらしいものではない.

もちろん,それぞれの建物の外観は,その建造時期によって異なるが,重々しい扉を開けば踊り場があり,螺旋状の階段が目に飛び込んでくる という構造は,多くの建物に共通の特徴であるように思われる.

玄関の扉を開き,螺旋階段の真ん中,円心の部分に扉が見えたなら,あなたはエレベーターを利用することができるだろう.
螺旋階段のカーブが,優雅に,そして広々と弧を描いていたならば,あなたは階段を昇ることになる.
目指すべき部屋は何階にあったか?
いささか緊張する瞬間である.

ヨーロッパの古い建造物において,エレベーターはほとんどの場合,後付けされたものだ.
というわけで,トラブルがないわけではない.

フランスでは,毎年15万人もの人がエレベーターに閉じ込められてしまうというから驚きだ.
エレベーター技術者が,現時点で1500人も不足しているらしい.
最悪の場合,閉じ込められたまま.数時間過ごすはめになるとのこと.

このエレベーターのトラブルを映画にしたのが,ルイ・マルの出世作『死刑台のエレベーター』.
エレベーターという乗り物の上昇と下降.
機械の運動としては実に単純なものであるが,そこに運命が介入するとなれば,極度に重要性が増すことは言うまでもない.




キャベツ頭の男@どうってことない風景

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posted by cyberbloom at 08:55| パリ ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | どうってことない風景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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