第61回カンヌ映画祭が5月14日から開幕し、開会式の模様が日本でも放映されました。式場へのレッド・カーペットには、ケイト・ブランシェット、デニス・ホッパー、フェイ・ダナウェイなどのハリウッド・スターのほか、オープニング作品に選ばれたフェルナンド・メイレレス監督の Blindness の出演者が現れました。ジュリアン・ムーア、ダニー・グローヴァー、ガエル・ガルシア・ベルナルとともに、日本の伊勢谷友介、木村佳乃らも登場し、一斉にフラッシュを浴びていました。ガエル君と連れ立った木村佳乃さんの美しい着物姿は他の女優たちに負けぬほどの注目を集めたようで、テレビカメラも何度となく彼女をとらえていました。
開会式は脚本家、監督もこなす俳優のエドゥアール・ベールが司会をつとめました。彼のときおりコミカルな調子で軽快に進行されていた式は、審査員の面々が紹介され、最後に審査委員長のショーン・ペンが登場すると、その近付き難いオーラのせいか、会場がぐっと緊張したように見えました。「配給会社の皆さん、作品が賞に選ばれなかったとしても、変わらず支援し続けてください」と強く主張した彼も、サプライズゲストの歌手リッチー・ヘヴンスが39年前にウッドストックで演奏した「フリーダム」を熱唱すると、顔がほころび大きな拍手を送っていました。
すでに4日目に入っている映画祭では、作品が次々と上映されています。開会式でも作品の一部が紹介されましたが、コンペティション対象作品はやはり社会派の作品や、重い内容のものが目立っていたように思います。 Blindness は突然失明するという伝染病に襲われ、病院に隔離された人びとを描いた3カ国合作の映画で、アメリカ、メキシコ、カナダ、日本など多国籍のスタッフが参加しており、さまざまな国の映画を同等に扱うこの映画祭のオープニングにふさわしい作品といえるでしょう。これまで上映されたなかでメディアの評価が高いのは、イスラエルのアリ・フォルマン監督による Waltz With Bashir で、80年代初頭のレバノン戦争の記憶をたどろうとする映画監督を描いたアニメーションで、前年の「ペルセポリス」に続き、アニメーションが賞を受賞する瞬間が見られるかもしれません。一方、特別招待作品では、スティーヴン・スピルバーグ監督の「インディー・ジョーンズ」最新作をはじめ、ウディ・アレンの Vicky Cristina Barcelona(スカーレット・ヨハンソン、ハビエル・バルデム出演)、ウォン・カーウァイの Ashes Of Time Redux、エミール・クストリッツァがサッカーの神様マラドーナをテーマに撮ったその名も Maradona など話題を呼びそうな映画が盛りだくさんです。15日に上映された マーク・オズボーンとジョン・スティーヴンソンによるアニメ作品 Kung Fu Panda (何とまあ潔いタイトルじゃありませんか)の会場では、声優をつとめるジャック・ブラックのほか、大きなお腹のアンジェリーナ・ジョリーがブラッド・ピットを伴って登場し、ひときわ華やかな雰囲気に包まれました。映画の評判も上々のようで、日本での公開が待ち遠しいところです。
また前回触れたオムニバス映画 Tôkyô! も上映され、こちらもまずまずの評価を得ています。東京にやってきた映画監督志望の青年とぼんやりした性格の娘をおかしくもリリカルに描く "Interior Design"(監督:ミシェル・ゴンドリー、出演:加瀬亮、藤谷文子、大森南朋、妻夫木聡など)、 Merde (糞)と呼ばれる未知の文明から来た男が東京をパニックに陥れる話 "Merde"(監督:レオス・カラックス、Merde 役はどうやらドニ・ラヴァンらしい)、引きこもりの青年がピザ配達の少女に恋する話 "Shaking Tokyo"(監督:ポン・ジュノ、出演:香川照之、蒼井優など)だそうで、好奇心をそそられる内容と出演者ですね。写真は左からゴンドリー、カラックス、ポン監督ですが、カラックス監督はなんだか人が変わったようだな〜。次回のエントリーでは授賞結果と注目作品についてお伝えする予定です。
exquise@extra ordinary #2
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