2009年11月16日

Good work, kid! ニューヨーク ファッションシーンを見守る伝説のストリートフォトグラファー(2)

ビルさんのコラムに「登場」する人には3つのタイプがあります。US版ヴォーグの編集長アナ・ウィンターを初めとする、いわゆるセレブの方々。ファッションリーダーとして、一歩先行くことを意識している人達にとって、ビルさんに選ばれないことは由々しき事態なのだとか。(もっとも、テレビのない生活を送っているビルさんは、有名人と気づかずにシャッターを切っていることもたびたびですが。)

marilyn2-full.jpg

次のタイプは、流行に流されず我が道をゆく本物のお洒落さん。コラムの常連である重役秘書嬢は、毎回チャレンジングな着こなしで、ビルさんを驚喜させてきました。4つ袖があるコートをお召しだったり、額縁をネックレス代わりに首にかけていたり。突飛だけれど、その人らしく見事に決まっている。ビルさんにとっては、立派な芸術家なのです。
 
そしてもっとも多いのが、一般のみなさん。ファッション業界とも縁がなく、マンハッタンで働き生活し、自分がお洒落な人間だとはつゆ思っていない人々。しかし、そんな彼・彼女が日常の一部としてクローゼットから選び身にまとっているものにこそ、その時々の人々の気分が反映され、思いがけなく共鳴し、トレンドになる。手持ちのアイテムで、その日の気分にびったりくる「ちょっといい感じ」な姿をつくる、誰もがやってる朝の儀式から、知らず知らずのうちにあたらしいものが生まれてくる。ストリートは、思いがけないものや「流行の発露」を見いだせる、スリリングな場所なのです。
 
ティーンエイジャーのころから街行く人を眺めるのが趣味だったビルさん。ファッションの源としてのストリートに目が向くようになったのは、60年代に見たフラワーチルドレンのデモのおかげだとか。ファッションショーの会場からでてきた時に目撃したデモ隊の着こなしは、自由で、色彩に溢れ、不思議な調和に満ちていて、さっき取材したばかりのハイファッションの印象が消し飛んでしまうほどのインパクトだったそうです。「僕の目は美しいもの、すばらしいものしか捉えない。こんな格好ぜんせんおしゃれじゃないですよ、って被写体になってくれる人は謙遜するけど、気がついていないだけ。本当に美しい物はあちらこちらにあるんだよ。」
 
運が良ければ、マンハッタンで取材中のビルさんに会えるかもしれません。高級百貨店バーグドルフ・グッドマンの近くの歩道で、青い上っ張りにボロボロのニコンをぶら下げたおじいさんがいたら、それがビルさんです。めでたく被写体になれるかどうかはわかりませんが、この伝説の人物に是非挨拶してみてください。

ニューヨークの初冬のファッションについて語るビルさん

パリからの番外編。参考になる方も多いかと。

いかにも好々爺な、ビルさんの語りがたまりません。話の中身は結構鋭くて、考現学が好きな方にも楽しんで頂けるとおもいます。  

(「ニューヨーカー」2009年3月号より)




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2009年11月12日

Good work, kid! ニューヨーク ファッションシーンを見守る伝説のストリートフォトグラファー(1)

topics_cunningham_395.jpg今マンハッタンでは何が流行っている?答えを知りたければ、まずウェブ版ニューヨーク・タイムズで名物コラム、”On The Street”をチェックして。タイトル通り、街を行く人々を写したショットが満載。どのファッション雑誌より速くて信頼ができる、“もぎたて”ファッション通信なのです。
 
ファッション雑誌でしょっちゅうやってる「街角ファッションスナップ」みたいなもんでしょ、と早合点してはいけません!足掛け20年連載を続けてきたフォトグラファー、ビル・カニングハムは、業界のエディターのそれとは違うところを見ています。
 
まず、セレクトのポイントが違う。ビルさんにとって関心があるのは純粋に「服とその着こなし」のみ。上から下までばっちり決まっている必要はなく、さりげない工夫、閃きが大事。着ている「人」は興味の対象外。何気に“完璧な着こなしの理想の彼女”をピックしている日本のおしゃれスナップとは、ここで一線を画しています。一見地味にみえるけれど洗練された着こなしに惹かれ路上で激写、後で編集者に見せたら被写体は伝説の女優、グレタ・ガルボだった、という逸話もあるビルさん。徹底しているのです。
 
アイテム単独の魅力につられないのもビルさんのポリシー。ファッションメディアに足を踏み入れて約半世紀、社交界の記事も手がけるビルさんは、そんじょそこらの業界人なぞ足下にも及ばない、歩くファッション辞典のような御仁。いい物をさんざん見てきた審美眼はもちろんのこと、知識も豊富なのですが、特定のアイテムを取り上げ良さを褒め上げることはありません。街角おしゃれスナップの脚注がおおむね被写体の持ち物、服の身元調査に終止しているのとは対照的です。ファッション・アイテムとは「道具」であって、それを使いこなし、着こなしてこそ生きるもの。ハイファッションは素敵だけれど、それにひれ伏しちゃあおしまい、なのです。
 
そして、何よりも、ファッションに対するスタンスが違う。スナップ特集の背後には、読者の代表として、また業界人として、少しでもお洒落を盗み活用しようという血眼な眼差しが感じられます。あくなき追求心を否定しませんが、ビルさんはそういった生々しい欲とは無縁です。街を行く人々のファッションは、刻々と変わるニューヨークという街の表情そのもの。現れては消える流行は、生まれては消える街のスラングのようなもの。人々の装いを通じて、時ににぎやかに、時に静かに語りかける街を見ることこそが、ビルさんにとってこのうえない喜びのようです。
 
ビルさん自身は華やかなマンハッタンの業界人と一線を画した、仙人のような生活を送っています。カーネギーホールになぜか奇跡的に残っている、バス・キッチン共同の狭いアパートに一人暮らし。牛乳缶でこしらえた手製のベッドで眠り、移動手段は基本自転車!今時制服屋さんでも売ってるの?といぶかしんでしまうようなクラシカルな事務職系スモックを着て街を走り回るビルさんの辞書に、「虚飾」の文字はありません。
(続く)
 
□「ニューヨーカー」誌2009年3月号より




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2009年10月29日

10月の音楽 −2つの”Dark End of The Street”−

縮こまりたくなるような寒さが来るまでまだもうすこしある今時分、じっくり耳を傾けたい一曲を選んでみました。

ライヴ~モーメンツ・フロム・ディス・シアターサザンソウル・クラシックとして有名なバラード、”Dark End of The Street”。いわゆる Cheating Song で、平たく言えば「夜影の忍び会い」。あちらでもおなじみの主題なのですが、この曲がとりわけ印象的なのは、歌に出てくる二人の苦悩がしみじみと伝わるところ。明るい場所で一緒にいる人々が決して嫌いになったわけでなく、「戻れなくてももういいの(ベンベン)」と大見得きって開き直れない。しかし、罪とわかっていても、人の目を盗んでも会わずにはおられない、というまさしく Doomed Love の世界。本家本元であるジェームズ・カーのバージョンも味わい深くていいんですが、作者である白人ソングライター、ダン・ペンが渋い喉を聴かせるバージョンが、情緒に溺れず、この曲の持つ深みをもっともよく伝えていると思います。

http://www.youtube.com/watch?v=iGcM_tcJ6Tk

Boomer's Story誰が歌ってもじんとくるこの曲を、インストゥルメンタルとして再構築したのがライ・クーダー。アルバム『流れ者の物語』(Boomer’s Story)に収録されているバージョンには、詞が語るヘヴィな現実から、影から解き放たれ、純化した二人の心のありようを思わせる清らかさがあります。鳥肌もののスライドギターが堪能できますが、名ギタリストのプレイにありがちな唯我独尊の風はなく、原曲への敬意と思い入れが感じられます。

ライブバージョン(唄入り)がこちらで見れます。

http://www.youtube.com/watch?v=_-XeHmrNSoc




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2009年10月05日

9月の音楽 Dedicated to Miss Chris Connor

クリス・コナー(+2)(完全生産限定盤)外資系レコードショップの歌ものジャズのコーナーには、毎月ニューフェイスの「彼女達」のアルバムが並びます。さりげなく巧みなアドリブを聴かせるひと、楽器のように声を操るノリノリなひと、耳に心地よくいい気分にさせてくれるコケティッシュなひと。しゃれたデザインのジャケット同様、音の方もとても洗練されています。ジャズの歩みとともに、「彼女たち」もまたアップデートされていっているのでしょう。
 
そんな彼女たちの音楽を変幻自在なファッションモデルに例えるとするならば、先頃亡くなったクリス・コナーの音楽は、「昔の映画女優」でしょうか。誰が見ても美しいけれど、「今」な感じではない。美貌も時に重く、野暮ったく感じられてしまうものです。
 
しかも、同時期に活躍した白人ジャズシンガー、アニタ・オデイやジューン・クリスティが、それぞれ粋な艶っぽさ、可憐さで今でも人気を誇っているのに、クリスの歌はそんな「華」がない。ノスタルジアとともに語られる美人歌手ではありません。
 
それでも、まじめな深いアルトの声で一心に歌う若いクリスの歌に耳を傾けるたびに、モダンジャズという音楽への彼女の溢れんばかりの気持ちに胸をうたれます。これまでの享楽的な楽しさから一歩踏み出し、新しい地平を目指していた同世代のジャズのクールネスを、シンガーである前に、一個人として愛していたのでしょう。単なる歌伴にとどまらずスウィンギーに、ブルージーに我が道を行くコンボを相手に歌う彼女は、その音楽に単に乗っかるのでなく、一緒になって更なる高みへ登りつめてゆきます。抑制が効いているけれど、いつのまにか聴き手の胸をしっかりおどらせる、ホットなやり方で。50年代、20代のクリス・コナーが、フルートにトロンボーンといった軽やかな音の布陣と一緒に吹き込んだアルバム、”This is Chris”は、まさに、これこそジャズのクールネス、という瞬間に満ちています。のびのびと、高く、高く舞い上がる感覚。これぞ、クリス・コナーの真骨頂。
 
クリスはまた、一級のバラード歌いでした。技巧に走らず、独りよがりに陥らず、細やかな心情をごく自然に表現する彼女の歌は、ジャズ好きでない方にもぜひ聴いていただきたい。特に、秘めた胸の内をテーマとする歌は、絶品。バンドシンガー時代にヒットさせた”All About Ronny”は、彼を慕う娘心というかわいらしいレベルを超え、尋常でない深遠を感じさせます。「ワインはいらない、空のグラスがあればいい。だってあの人はシャンパンなのだから」というくだりは、陶然とさせられてしまう。彼女が歌で作り上げたヒロインは、なぜここまで一心に思い詰めるのか・・・あれこれ妄想してしまうほどです。
 
ベストのテイクではありませんが、”All about Ronnie”はここで聴けます


60年代のライブ盤に収録されているテイクは個人的にお気に入り。同じアルバムで聴けるお別れバラード、”Don’t Worry About Me”も、すばらしい。




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2009年09月12日

Got To be Real  −二人のブラック・ビューティーの死—

ナオミ・シムズが亡くなった。
 
naomi-sims01.jpg1960年代、アメリカの有名雑誌のカバーを飾った最初のブラック・モデル。彼女以前にも成功した黒い肌のモデルはいましたが、エキゾチックで蠱惑的なBrown Sugarという扱いだったり、「黒人向け」という枠の中での活躍だったのに対し、ナオミ・シムズは人種の壁を越え、アフロ・アメリカンの誇りと美しさをアピールしました。代表作である『ライフ』誌の表紙になった写真を見れば、ナオミ・シムズがどんな存在だったかわかります。ノーアクセサリーのシンプルな姿で、まっすぐ前を見据えた21才の彼女の美しさは、見目麗しさの域を超え、時代が抱えていた熱気と希望を象徴していました。
 
シムズの歩んだキャリアもまた、「変化」と結びついていました。ピッツバーグからニューヨークの大学に進んだ女子学生は、学資の足しにモデルの仕事を始めます。モデルエージェンシーは黒人だという理由でどこも門前払い。NYタイムズに掲載されたポートレートを広告会社、出版社等に自分で持ち込み、仕事を探す日々が続きます。しかし、時代は変わるもの。どんなに美しくともInvisibleな存在として業界から排除され、白人モデルと同じ立場で渡り合う機会を持てなかったブラック・モデルが、公民権運動の盛り上がりとともに、時代の顔として逆に求められるようになったのです。漆黒の肌と理知的で美しい瞳、躍動的な肢体でアフリカンモチーフの大胆なプリントも自然に着こなすシムズは、あっという間にスターの地位をつかみます。
 
しかし、わずか数年後、24才のシムズは人気モデルの座をあっさり捨てます。清廉潔白といえない業界で使い捨てられ忘れ去られるモデル仲間の末路を見てきたということもありますが、世間が求める決まりきった”Black is Beautiful”のイメージを演じ続けることにあきたらなくなったこともあるようです。
 
この決断には、シムズのこれまでの人生が少なからぬ影響を与えていたと思われます。生後間もなく両親が離婚、里子に出され、白人が多く住む地域で大人並みに背の高い黒人の女の子として育った彼女にとって、世の中とはもっとずっと複雑なものだったのではないでしょうか。空手で悪に立ち向かうブラック・ムービーのヒロイン役をやらないかというオファーを、シムズは断っていますが、その理由は、黒人の登場人物達のステレオタイプなキャラクターが気に入らないというものでした。たかが映画、作り事の世界じゃないかと言われても違和感を感じざるを得なかったのではないでしょうか。
 
引退後、一個人に戻った彼女は美容業会に新しいキャリアを見いだします。アフロ・アメリカンの女性のためのウィッグを開発、白人向け商品しかなかったウィッグの市場で成功を収め、亡くなるまでビジネスウーマンとして人生を歩むことになります。
 
数ヶ月前には、もう一人、忘れ難いブラック・ビューティーが世を去りました。彼女の名はオクタビア・サン・ローラン。もちろん本名ではありません。
 
octaviasaintlaurent01.jpg彼女が颯爽と登場したのは、80年代末から90年代初頭のニューヨークで生きるブラック、ラティーノのゲイ、トランスジェンダーの群像を描いたドキュメンタリー”PARIS IS BURNING”でした。倉庫のような殺風景なクラブに夜な夜な集まり、でっちあげたランウェイの上を、せいいっぱい着飾って歩き、”Vogue”誌のモデルのようにポーズを決め、かっこよさを競い合う彼、彼女達(マドンナの懐かしのヒット曲、”Vogue”もこの映画が元ネタでした)。黒人で男であるだけでもハンデがあるのにおまけにゲイという「3ストライク」な境遇を背負い、日々を刹那的に生きざるを得ない仲間達の中で、未来への希望を感じさせたのがまだ20そこそこのオクタビアでした。すんなりとした姿と華やかさに恵まれたオクタビアは、本物のランウェイを闊歩することを本気で夢見ていました。大手モデルエージェンシーの一般公募に応募しようとする彼女の姿をカメラは捉えています。有名に、お金持ちになりたいという上昇志向と自分を信じる気持ちの強さ以外に彼女を輝かせていたのは、当時業界を席巻していたスーパーモデル達への純粋なあこがれでした。お気に入りのモデル、ポーリーナがいかに素敵かを夢中になってしゃべるオクタビアを見て、ある「可能性」を考えなかった人は少なくなかったと思います。この映画がきっかけとなって、トランスセクシャルとか肌の色を超えた、新しいスターが生まれる可能性を。

映画のあと彼女を待っていたのは、苦い日々でした。エイズにかかり死線をさまよったこともありました。本物のファッションモデルへの門はついに開かれませんでした。しかし、彼女が古巣の偽物のランウェイを離れることもありませんでした。貫禄がつき若い娘たちを見守る立場になった晩年のオクタビアには、うつむくことなく生き抜いた人の輝きがありました。夢である“Vogue”のカバーガールにはなれなかったけれど、彼女はリアルな世界で美しい人として生き抜いたのです。

映画のエンドロールで使われていたこの曲は、聞くたびに胸に迫るものがあります。亡き二人に捧げたい。

http://www.youtube.com/watch?v=FzfPdvKuW7w

映画”PARIS IS BURNING”も、機会があればぜひ見られることをお薦めします。好き嫌いはあると思いますが、人の放つ熱と光に満ちた映画です。

http://www.youtube.com/watch?v=qCp99A2Cni0





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2009年08月31日

8月の1曲 −Allen Toussaint “Southern Nights”—

夏の終わりにふさわしい一曲を選んでみました。ファンキーでうきうきするこれぞ極めつけ、なニューオリンズ産R&Bを世に送り出したコンポーザー、アラン・トゥーサン(6月に紹介した”It’s Raining”も彼のペンによるもの)が、1975年に発表した自作自演のアルバムのタイトル曲です。
 
南部の沼地の湿った風を受けてゆるやかにそよぐ柳の枝を思わせるような、おだやかなメロディー。ちょっとオリエンタルな風味のアレンジと、とつとつとした、ちょっと眠たげなトゥーサンの歌声が、どことなく丸くなった日差しと、夏も終わるか・・・というあわあわとして感傷にぴったり。メローにキメキメな曲がかかることが多いこの時期、のんびりした夢のようなこんな曲もいいのでは。ぼちぼち聞こえてきた虫の音にも、合うんだなあこれが。

歌詞の内容はジャケットが全て物語っています。アルバムとしても捨て曲なしの、おすすめの一枚。


サザン・ナイツ
サザン・ナイツ
posted with amazlet at 09.08.31
アラン・トゥーサン
Warner Music Japan(2008-05-28)
売り上げランキング: 15732
おすすめ度の平均: 5.0
5 買いです。





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2009年08月12日

Stepping through the door −旅へのいざない—

Moseley Shoals映画”Before Sunrise”(邦題『恋人たちの距離』はどうもしっくりこなくていけない。原題のままではだめだったのでしょうか)の二人におこったようなことは所詮フィクション、映画だからこそのエピソード、とばかり思っていましたが、全く同じとまでいかなくとも、それほど遠からずなセレンディピティを経験しているひともいるのですね。最新エッセイで、デビッド・セダリスは、20代前半の若者として体験したことを告白しています。

ルーツであるギリシャを訪問した後、デビッドは親兄妹達と別れ、一人イタリアに渡りローマへ遊びにいきます。まだ定職についていなくて財布に余裕がある訳でなし、イタリア語はからっきしワカラナイけど、ギリシャへ戻る船がでるまでまだ何日もあるしなんとかなるでしょ、というお気楽なヨーロッパ一人旅。

ローマへは英語がわかる親切なイタリア人の助けをかりて何とかたどりついたけど、船が出る港町への帰りの列車の切符を求めるときは、そうは問屋がおろさなかった。単語とボディランゲージでなんとか買った切符を手に指定された客車へ行くと、なんとそこは「座席なし、洗面所はもちろん水道もなし」の最低ランクの客車。イタリアを放浪中の世界各国の若人がパンパンに詰め込まれ、フランス語・ドイツ語から聞いたことのないヨーロッパのどこかの言語まで、英語以外のいろんな響きの囁きが渦巻いています。    
 
若いデビッド君を憂鬱にさせたのは、切符売り場の職員とのコミュニケーション失敗によるショックではなく、詰め込まれた同乗者へのコンプレックスでした。周りにいるのは適度にくたびれた、旅なれたバックパッカーばかり。家族旅行の延長で、ちょっと足を伸ばしてみましたみたいな呑気なのは自分だけのよう。客車の中は人いきれでむっとし、いっこうに目的地につく気配はなく、車窓を見ても単調な景色が流れていくだけ。立ちっぱなしにも疲れた同乗者の間で腰をおろす場所の取り合いがさりげなく始まり、引け目たっぷりの弱気なデビッド君、いつのまにやら隅っこに追いやられてしまった。

しかし、そこにいたのです。心ときめかせるその人が。「彼」(セダリスはカミングアウトしています)は、レバノンからやってきた、優しげな瞳が印象的な留学生で大学生活をスタートするべく、とある街へ向かっているところでした。しかもありがたいことに、「彼」は英語が上手く操れたのです。黙っている時間が長過ぎて気分も舌もすっかり固まってしまっていたデビッド君と「彼」は、おしゃべりに夢中になります。取りとめのない内容だけど、とにかくさえずれることがうれしい!あっという間に距離が縮まっていき、友情というほど大げさな物でなく、ロマンスと呼べるほど深遠なものでもない、なんとも言い難い親密な空気に二人は包まれます。「恋」とよべるほどの親密さに。
 
近くにいた同乗者が移動したおかげで、二人はドアで遮断された狭いスペースへ追いやられます。何もしなくても触れてしまいそうなほど側にいる「彼」に、キスしたい衝動にデビッド君はかられます。「彼」のほうも、口にはしないけれど、あきらかに「待っている」状態。しかし、シャイな性格がたたってか、あまりの展開にとまどったのか、今一歩が踏み出せず、時間ばかりが過ぎていきます。
 
やがて、「彼」の目的地が近づきます。「もしよければ、僕のところでしばらくすごさない?」「彼」は言います。これまたシャイな「彼」が勇気をふるって口にした、字面以上の思いが込められた精一杯の申し出。このままアメリカに戻っても、決まった仕事があるでなし、アルバイト先の建築現場で一輪車を転がすだけ。静かな大学町で、「彼」と過ごすイタリアでの日々はどんなにすばらしいだろう!心が動かされないといったらウソになります。でも、イエスといえなかった。
 
目的地に到着し、「彼」は幾つものスーツケースとともに列車を降りると、「ほんとうにいいの?」といいたげにデビッド君の目を見ます。それっきり、「彼」と会うことはありませんでした。
 
「レバノン」というコトバを耳にするたびに(特にこの国を巡る難しい情勢についてのニュースを聞かされるたびに)、思いが千々に乱れるようになったセダリスですが、出会いから4半世紀が過ぎた今、こうも語っています。

「当時の写真を見返すことがあったのだが、映っている自分をみてびっくりしてしまった。なんてカワイイんだろう。繋がり眉毛に豊かな黒髪、ロバを曵いて山道を行くのがぴったりくるような、素朴で無邪気な瞳の若者だったあの頃の僕は、ある意味人生のピークにいた。」あのとき瞼にやきつけた「彼」の姿は天使のように魅力的だったけれど、こうやってみるとこちらもまんざらでもなかったんだな。二人が惹かれ合ったのは、必然だったんだ、と。
 
何を言うんだ、おセンチなおじさんのノスタルジアかいと思う方もいるかもしれません。が、これは率直な感想だと思うんです。時の流れにのっかって生きるものとして、誰もが「あの時」の自分から変わらざるを得ないし、「あの時」の自分が何者でどんな風に他人の目に映っていたのかなんて、わからないんです。
 
彼が遭遇したような旅先での「出会い」を経験したとしても、それがもう一度あるなんて思っちゃいけないと、セダリスは言います。来年、また同じ季節に同じタイプの車両の切符を買って乗りこめば、別の「素敵な彼(彼女)」に巡り会える、なんて大間違いだよ、と。「出会い」は、あのタイミングで、あの空間に、あの時のあなたがいて、初めて成立したものなのだから。
 
セダリスほど万感の思いを込めてうなずくわけではありませんが、決して捨て置けないご意見だと思います。人は日々変わりゆき、とどまることがない。今の自分を代わり映えしないヒトだと思い込み、日々のルーティーンに閉じ込めてしまってはいませんか。たっぷりお休みを取れるひともそうでないひとも、ドアを開けて違う場所へ行ってみましょう。あなたをいつも通りではない空間に置いてあげることはけっして悪いことではないと思います。夢のような出会いは保証できませんが、偶然が起こすいたずらも、一歩外へでなければ、けっして期待できないのですから。ちなみにセダリスは、十数年後、イタリアの時とは真逆の、悪夢のような同行者とニューヨークまで列車の旅をした後、今のパートナーとつきあい始めるようになりました。家に戻って自己嫌悪でうんざりしている時に、ふっと彼のことを思い出してピンときたと。そう、動かなければ何も始まらないんです。

背中を押してくれる一曲をどうぞ。

□セダリスのエッセイ"Guy Walks Into A Bar Counter"は The New Yorker の2009年4月20日号に掲載





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2009年07月27日

Hot Fun in the Summertime! −7月の1曲−

どうにもやりきれなく暑い夏がやって参りました。お店のBGMも今や8割型がボサノヴァやさわやか系ブラジリアン・ミュージック。灼熱の屋外からエアコンディショニングの効いた店内へ足を踏み入れた瞬間は、なかなかに効果的だとは思いますが、そればっかりでもどうかと。(ジョイスの昔のアルバムなどは、冷房がない室内で、冷たい飲み物片手に汗かきながら聞くとまたおつなもんだと思うんですが。)
 
リゾートにご縁がない街の人間としては、暑さが増せば増すほど、ギラギラした熱い音楽を聞きたくなります。今回は、パーソナルな真夏の定番をご紹介。

*Quimbara アルバム“Celia & Johnny”より
Celia & Johnny1950年から先頃他界するまで「キューバ系ラテン音楽の女王」として現役を通した歌手、セリア・クルースの歌声は、ひとことで言えば「強烈」。照りつける日差しを跳ね返すぐらいの力強さとパッションに溢れています。

ポリフォニックなリズムが重なりぶつかり合うサルサ独特の暴れ馬グルーヴをどーんとした声で楽々と乗りこなす一方、哀調を帯びたメロディーはその美味しいところを情感たっぷりに丹念に歌い上げます。最高なのが、同じフレーズを繰り返して盛り上がってゆく時のセリア。速射砲のようなスピートで呪文のように歌詞を繰り返すだけで、音楽全体の体温がじわじわあがってゆくのが伝わってきて、とてもスリリング。禁欲的な繰り返しの果てに辛抱たまらなくなったバンドがついに解放され、どっと喚き立てるエンディングの前、”Quimbara!”と連呼するセリアの声は、ぶっとい丸太でドツくような勢い。でも、そこが何ともかっこいい!
 
サルサ界の実力者、ジョニー・パチェーコによる、無駄がないキビキビとしたサウンドが、女王に忠誠を誓う騎馬部隊のごとく、セリアの「大暴れ」を力強く支えます。
 
乱発傾向にあるディーヴァとか歌姫とかいったフレーズや、そんな肩書きをお持ちの歌い手さんに辟易されている方にもおすすめ。真の女王様とは、こういうかたなんですよ。

アフリカ公演でのライブバージョンはこちらで。指揮をするのがジョニー・パチェーコ。ちらっと登場する観客の「たまらん」表情に納得します。

http://www.youtube.com/watch?v=W9jpCCaRbX4

*El Cantante アルバム”Comedia”より
Comediaサルサにつきものなのが、男性歌手の甘ーい美声。その声で一世を風靡したエクトル・ラボー。(J・ロベスが旦那である現サルサ界のスーパースター、マーク・アンソニーを主役に据えてこの人の伝記映画を作ったおかげで、名前を聞いたことがある方もいるのでは。)写真の通り、いいオトコとはとても言い難いんですが、その独特の声は確かに魅力的。スカッとした美声、ではなくて、ちょっと粘着質で、ナルシスティックで、情緒不安定?な独特の揺らぎがあります。高音部が微妙にフラットする、その何ともアブナい感じの声が、哀愁のラテンメロディーを歌い上げると、これがまた絶妙。聞いているうちに中毒してしまうんですね。
 
ロックやソウル・ミュージックの存在を意識しつつ敢えてサルサを選んだ、ニューヨークの下町の兄ちゃん仲間が作り上げたサウンドは、少し前のラテン音楽のいいも悪くもゴージャスな部分を上手く削いでタイトに引き締まっていて、ラボーの過剰気味な甘さと上手くマッチします。真夏のニューヨークの暑さははんぱではなく、個人的に大変な思いをした経験がありますが、アスファルトや四角い建物から放出される熱気やぎらつく日差し太陽があったからこそ生まれた、クールな都市の音楽だと思います。スペイン語の響きも堪能できる一曲。

http://www.youtube.com/watch?v=uagxHHVMobY
 
ここで紹介したアルバムは共にサルサの美味しいところを味わえる、おすすめの作品。”Comedia”は、いいかんじのブラジル産ポップスを連想させる曲も含まれていて、サルサの濃ゆさを敬遠される方にも聞きやすいかと思います。





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2009年07月19日

気ままにつまもうFashion Chips 2 —海外おしゃれニュースソースより気になる話題をクリップ―その2

アイドルを探せ! フランスの人気テレビ番組“Nouvelle Star”
 
人気番組のアイデアはあちこちで使い回されるようで、アメリカの番組『アメリカン・アイドル』を「いただいちゃった」番組が、フランスで人気を博しています。スタートから6年目を迎え、最新シーズンが最近終了したところです。
 
soan-nouvelle-star-2009-20090510-508901-b3672.jpgフランスとベルギーから応募した2万人を超える参加者がふるいにかけられ、アカペラや即席のトリオで歌う事が求められるなど歌唱力を重視した審査の後、絞り込まれた十数名が生中継のオーディションに臨みます。それまでの判定がプロフェッショナルの審査員によって行われていたのに対し、番組中のオーディションの審査員はテレビの前のあなた。メールや電話での投票により、栄えある新しいスターが誕生する仕組みです。
 
おもしろいのは、応募者が選ぶ曲目。意外と渋いんです。フランス語でちゃんと歌えることが要求されているからかもしれませんが、フランソワーズ・アルディやゲンズブールのようないわゆるフレンチポップスの曲にとどまらず、ピアフ、ジャック・ブレルにジョルジュ・ブラッサンズと古典・懐メロなシャンソンがチョイスされています。古い歌をいかに説得力をもって歌いこなせるか、ということなのでしょうか。また、自国の歌だけでなくアメリカ・イギリスのポップス、ロックが必ず選曲されているのも日本では絶対あり得ないところです。しかも、新しい曲より60年代〜80年代のクラシックロック、ポップスが積極的に歌われているのには驚きました。日本のミュージックシーンをになう現役の多くより、音楽的視野が随分と広いんじゃございません!
 
この現象には、日本人のいわゆる「洋楽」に対するコンプレックスとフランス人の英米ポップスにたいする捉え方の違いが垣間見えるようです。日本人にとって洋楽があくまで「外の音楽」で自国メイドの音楽と明確に線引きがされているのに対し、フランス人にとっての英米の音楽は、もう少し敷居が低い、近しいものなのではないでしょうか。近年リリースされたフランス映画で、カップルの思い出の曲が U2 の曲だったというエピソードがありましたが、日本人の U2 へのスタンスと違い、詞もメロディーもひっくるめて大好き、という描かれ方だったのが印象的でした。
 
さて、最新シーズンを勝ち抜いたのが、パリからのエントリーとなった Soan Faya(写真↑)。見た目も雰囲気もフランス風味のジョニー・デップという感じです。The Cure に White Stripes、The Doors にブレル、ピアフ、『夢見るシャンソン人形』までバラエティに富んだ曲目で栄光に輝きました。French Invasion としてアメリカに乗り込んでくることはできるでしょうか?

Soan のパフォーマンスはここで見れます。

□古典レベルのシャンソン
http://www.youtube.com/watch?v=NR0_ynnEyIo
□懐かしUKロックも
http://www.youtube.com/watch?v=OfQY09XCf94


*おまけ 脱力系ダンスミュージック from France
 
某サイトで Kitsch of the Day として取り上げられていた、60年代のフレンチポップスをご紹介。ラスベガスのショーや英米のテレビ番組にも出演した歌手、Line Renaud のヒット曲です。見る人によっては不快指数を上げるだけの代物かもしれませんが、まずは見てのお楽しみ。映画『男と女』のクロード・ルルーシュ監督が手がけた黎明期のミュージック・クリップが、脱力感を盛り上げています。なぜ妙齢の女性シンガーは水着のマッチョ4人組を従えているのか?どうしてお屋敷にあるプールなのか?などの沸き上がる疑問は置いといて、にわか仕立てっぽいダンサーのバラバラな踊りも含め、ゆるーい感じをお楽しみください。






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2009年07月17日

気ままにつまもうFashion Chips 2 —海外おしゃれニュースソースより気になる話題をクリップ―その1

あなたのクローゼットにダメ出しします ―禁断の聖域をターゲットにした新ビジネス—
 
practical01.jpgクローゼットの中はお洋服でいっぱい、なのに着ていきたい服がない!そんな贅沢なぼやきを体験したことがある方、けっこういるんじゃありません?ある調査によると、女性のクローゼットにある衣類のうち実際に着ているものは5分の1に過ぎないとか。また、イギリスの女性のクローゼットには、平均6着、一度も袖を通したことがない「タンスのこやし」があるそうです。普通のひとでもこんなありさまなんですから、予算に悩まずお買い物ができるセレブリティの方々は、想像を絶する状態に直面している?
 
そんな悩める女性達に救いの手を差し伸べるのが、エリカ・ギブス。彼女の会社Practical Princessでは、どうしようもない状態にあるクローゼットを「再建」してくれます。顧客リストにはジミー・チュウのオーナー、タマラ・メロンや大富豪モハメド・アルファイドの娘カミラ嬢と、イギリスのリッチな女達がたくさん名を連ねています。クローゼットはもちろん、長期の旅行のためのパッキングまでお願いしているタマラ・メロン曰く、「エリカは我が家の主婦なの!」
 
エリカ・ギブスのやり方は、容赦ないことで有名。女性にとって最も人に見せたくない場所であるクローゼットの中身をあばき、クライアントに対しても厳しい態度で臨みます。「家に9人メイドがいる家でも、クローゼットは手つかずのまま放置されています。豪華なお料理には、それに相応しいテーブルセッティングを用意するのに、豪勢なお洋服はごみための中に放り込まれていることが多いんです。」まず、クローゼットの中のアイテムをひとつひとつチェック、捨てるか取っておくか、クライアントに決断を迫ります。衝動買いした大胆な一着から、バーゲンで手に入れてから値札も切っていない服、昔は大好きだったけどここ数年ご無沙汰の服・・・取捨選択の作業だけで、クローゼットは随分すっきりするとか。生き延びた服は、衣類に優しい特製ハンガー(No wire hangers, ever!)や服をきれいにたためる道具を駆使して、用途・色別に麗しく整理されます。リクエストがあれば、すっきりさっぱりしたクローゼットを正しく埋めるショッピングにもつきあってもらえます。
 
自分が持っている服をきちんと把握すれば、服の好みや傾向を知ることができるし、本当に必要なアイテムがわかる。整理整頓を心がければ、毎朝の洋服選びも素早くできて、手持ちの服を効果的に最大限活用できる。同じ物を何度も買う等の無駄買いもなくなり、お財布にも優しい!クローゼットと真摯に向き合えば、いいことずくめだとか。しかし、わかっていてもなかなかできないのが、女心でしょうか。「リッチなクライアントでも、物を捨てられないんです。しかも、取っておくと言い張るアイテムが、よれよれのTシャツやヴァージンアトランティク航空でただでもらったパジャマにだったりするんですから。素敵な服がクローゼットに詰まっているのに、不思議ですね。」

エリカ・ギブスの会社のウェブサイトはこちらです。

http://www.practicalprincess.com/




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2009年06月30日

6月の一曲 —Irma Thomas “It’s Raining”—

irmathomas01.jpg紫陽花は咲いているのに、らしくない日が続いた6月。でも、お湿りであっても雨が降る日には、雨についての歌を聴きたくなるもの。雨が喚起するイメージのせいか、雨がからむ曲にはブルーなものが多いのですが、60年代のニューオリンズ産のこんな歌はどうでしょうか。
 
まだ20歳そこそこ、雨粒をはじいてしまうような初々しいアーマ・トーマスの歌声は、不在の人を思うやるせない歌詞を、もっとスウィートで素直なものに変えています。バックコーラスが繰り返す雨音の擬音リフも、とてもチャーミング。(さすが!なアラン・トゥーサンのお仕事です。)
 
ジム・ジャームッシュ監督のおかげで、忘れ難い一シーンとしてこの曲を記憶されている方も多い事と思います。YouTubeでこういう物を見つけました。

Down By Law - It's Raining

音楽を心から愛する人が作る映画っていいなあ、と思う瞬間です。

Sweet Soul Queen of New Orleans: The Irma Thomas Collection
Irma Thomas
Razor & Tie (1996-02-20)
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おすすめ度の平均: 5.0
5 ニューオーリンズは沈まない


 
ダウン・バイ・ロー コレクターズ・エディション [DVD]
キングレコード (2006-11-22)
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おすすめ度の平均: 5.0
5 特典ディスクが充実
5 行き当たりばったりの脱走ロード・ムービー
5 笑い死にさせる気だ
5 お洒落な映画




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2009年06月09日

マリーの3つの名前 —ある人生— 

bambi01.jpg写真の人物をまず見てください。上品で、落ち着いた、知的なたたずまい。茶目っ気も感じるまなざしと、微笑み。ブロンドの髪にマッチした赤いニット姿も小粋なその人が、数十年にわたって国語教育に携わり、業績を讃える賞を授与されたベテラン教師であると聞けば、なるほどと思われるでしょう。その人、マリー・ピエール・プリュヴォーは、今に至るまで更に2つの名前を名乗り生きてきました。

1つは、生まれた時に与えられた名前、ジャン・ピエール・プリュヴォー。アルジェリアに暮らす中流フランス人一家に生まれ、自分はfille であることに何ら疑問をもたなかった「彼女」は、大きくなるにつれて自分の認識と世間の見方が違う事に苦しめられます。お気に入りのドレスを捨てられ、お人形遊びを禁じられたのは始まりに過ぎませんでした。他の男の子達と立ち振る舞いが違うとご近所の噂になり、両親を困惑させ、クラスメイトからはバカにされる。快活な子供は、内向的で目立たないガリ勉少年に成長します。
 
16才の時エンジニアだった父親が病で亡くなり、学校も退学。母一人子一人の家計を助けるため、カフェのボーイとして働き始めた頃、運命を変える出会いがありました。近くのカジノに、パリのキャバレー、カルーセル・ド・パリの一座がやってきたのです。洗練されたレビューとお色気が売り物の一座最大の特色は、出演する美女達が全員hommeであること。ジャン・ピエールは衝撃を受けます。「男の肉体」という牢に生涯閉じ込められて生きてゆくのだとあきらめていたその時に、違う生き方もあることを知ったのです。まさに暗闇のなかの一筋の光、でした。意を決して楽屋を訪ねたジャン・ピエールは、一座のメンバーの助けを借り「変身」します。鏡に映っていたのは、華奢なブロンドの若い娘—ショーガール、バンビとしての人生のスタートでした。
 
18才になるのをまって、着の身着のまま一人パリへやってきた「彼女」は、同じ趣向のキャバレー、マダム・アルチュールでクリスマスの夜に初舞台を踏みます。何もかもが初めてのことだらけ、生活も楽ではありませんでしたが、一座のスターであるブロンドの「美女」、コクシネルを始め仲間達にかわいがられ、開放感に満ちた日々でもありました。「小学校にあがるころから、同級生の男の子達から浮き上がらないように髪を短くしなさい、男らしくしなさいと親に言われ、従ってきたけれど、自分が女の子であることを封印したりはしなかった。いつも鏡を見て、女の子である本当の自分の姿をイメージしていたわ。だから、自分らしく装い、振る舞える喜びは格別だったわね。ああしたいこうしたいとこれまで胸の中で思い描いていた自分のイメージを、実現する事ができるようになったのだから。」
 
bambi02.jpgしかし大都会パリでも、世間との戦いは続きました。「深夜に舞台がはねた後、近所のレストランへ朝ご飯を食べにいくのだけれど、化粧は落とさなくとも必ずパンツをはいて出かけたわね。警察の手入れがしょっちゅうあったから。おかしなもので、どんな厚化粧でも、“社会の窓”がある服さえ着ていれば「男」とみなされて、おとがめは受けなかったの。警察の風変わりな基準をしらないトランスジェンダーの「彼」たちは、逆に”社会の窓“のある男仕立てのパンツをはいているという理由から、風紀良俗を乱したかどで逮捕されたわ。」
 
見せ物や笑いの要素はほとんどなく、着飾った紳士淑女の観客の前で本気の歌と踊りを要求されるステージで、パンビはその美貌とコケティッシュな魅力をたっぷり披露し、やがてスターの仲間入りをします。専属バンドのピアニストはセルジュ・ゲンズブールのパパ。後を引き継いだ息子の曲を歌う事もあったとか。
 
先輩格のコクシネルにならって、時代に先駆け機能の上でも、戸籍の上でもFemmeになったのもこのころ。ヘテロセクシャルの恋人がいたということもありましたが、自分の意志で決めた、大きな選択でした。
 
そして、バンビは次なる人生へ向けて一歩を踏み出します。断念した勉強をしてみたくなったのです。ステージをこなす傍ら学業を再開した彼女は、やがてソルボンヌ大学に入学します。プルーストの文学を研究し、学位と教職免許を取得。ついにはステージを去り、教職につきます。ヒッピースタイルできめた、マリー・ピエール・プリュヴォー先生の誕生でした。
 
教鞭を取っていた間はバンビとして生きた時代を封印してきましたが、自伝の出版を機に過去をオープンにしたマリー。テレビをはじめマスコミの取材に応じていますが、テレビの映像や写真で見る彼女の美しさはまさに驚き。インタヴューしたヴォーグ誌の記者が「黄金時代のハリウッド映画の女優のようにグラマラス」と評していましたが、そのたたずまい、物腰、話し方、どれをとっても実に洗練されていて、かくありたしと思う女性らしい魅力に溢れています。生まれたときから自分と世界との齟齬感と向き合い、偽らない生を生きるために信念を貫いたマリーに与えられた、恩寵なのかもしれません。

バンビとしてのステージを見たい方はこちらをどうぞ。  

ご本人のウェブサイトはこちらです。






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2009年06月03日

5月の1曲 “サン・トワ・マ・ミー” RCサクセション アルバム『カバーズ』より

カバーズ忌野清志郎の訃報は、旅先のホテルの暗いロビーに置かれていた新聞で知りました。いつもどこかで、どかどかウルサくやっていてくれるのだ、と勝手に思い込んでいた身には、こたえました。
 
清志郎氏の残した歌やその人については、いろいろな人がいろんな切り口でこれから語っていくでしょうし、そうでないといけないと思っています。その影響と、スルーのされ方を考える事で、日本のロックとは、Jポップとは、という本質的な問いの答も見えてくるかもしれません。
 
彼の歌は、輸出品としてインターナショナルにウケるものではないと思います。クール・ジャパンのような切り口では伝わらないでしょう。しかし、この国が本当に開けた国になって、海を越えてやってきたたくさんの人が日本語に親しみ日本の歌を聴いてみようかと思った時、きっとわかってくれるのではないかと思っています。 

忌野清志郎の人と仕事についてはこれから出てくる立派な書き物に譲るとして、つまみ食い的に愛聴してきたいい加減な聴き手ではありますが、僭越ながらこの場を借りて一言述べさせていただくとすると、「忌野清志郎は、とにもかくにも歌うたいとしてすばらしかった。」ロックの人で言葉をまっすぐ耳に届けられる人はいまだに彼しかいないし、また、それらしくするだけでも十分カッコいいソウルミュージックという音楽を、型を越えて自分のものにした希有な人だと思います。
 
今回チョイスしたのは、カバー曲ばかりを集めたRCサクセションのアルバムに収録されている一曲。アダモがヒットさせたフランス歌謡で、越路吹雪のおかげでニッポンの歌謡曲となりました。岩谷時子の詞をほとんどそのまま残し、オンナ歌をオトコの歌に変えて歌っています。録音時には、セックス・ピストルズの“マイ・ウェイ”のようなアイロニカルな意図もあったのかなと思いますが、出来上がりは至極まっとう。ちゃんとロックしているのはもちろん、曲自身の持つベタな感じを引き受けつつ持ち込まれた、軽やかさとユーモアが光ります。そして、「目の前が暗くなる」という詞がちらりと示す、この歌が引きずる影の部分を忘れていないところが、深いなと思います。

画像はよくないですが、ぜひライブ映像をどうぞ。

<おまけでもう一曲>
こういう甘い情景をさらっと歌にするひとでもありました。

カバーズ
カバーズ
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RCサクセション
USMジャパン (2005-11-23)
売り上げランキング: 107
おすすめ度の平均: 5.0
5 どれだけ風が吹くと山が動く
5 日本語への置き換えが清志郎
5 日本ロックの名盤
5 コンサートで聴いた
5 今でも生きています。




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2009年04月30日

4月の一曲“Water No Get Enemy” アルバム“RED HOT+RIOT”より

Red Hot + Riot: Music & Spirit of Fela Kuti春の音楽、というと着心地のいいコットンのカーディガンのような、さわやかで快適な音楽を思い浮かべるかたも多いかもしれません。が、個人的には、息を潜めていた緑が萌え出す前の、樹皮の下のエネルギーの高まりを感じさせる、「木の芽時」な音がピンときます。例えば、アストル・ピアソラのタンゴ。バンドネオンやヴァイオリンが朗々と甘美なメロディーを歌い上げる部分より、アンサンブルがごつごつギコギコとぶつかりあう、音楽的にあまり美しくない部分が、「春」なのです。
 
そこでご紹介するのが、アフロ・ビートの益荒男、故フェラ・クティのトリビュート盤に収録された “Water No Get Enemy”。アメリカのヒップホップ世代を代表するミュージシャンが参加した、セッションの記録です。
 
曲そのものは、ごく簡素な構成。踏み台昇降運動を連想させる、一・二・一・二の地味なリズムの繰り返しに、音数の少ない醒めたメロディラインが絡み、これまたひなびた感じのホーンセクションが挟まる。これだけ。
 
しかし、この反復にメイシー・グレイとディアンジェロのヴォーカルが加わると、様子が変わってきます。クリアな美声とは縁のない個性派のシンガー二人は、基本のグルーヴに声を絡ませ、互いを挑発し、呪文のようにサビを繰り返します。リズムと歌がぶつかるでも同化するのでもなく、渾然一体として、濃く太くなってゆく。音楽の体温がじわ、じわと上がるのがわかります。
 
それに続くのが、ディアンジェロのエレクトリックピアノ・ソロ。音量・音色に限界があり、脇役に回る事の多い楽器ですが、何とも妖しく官能的。既にふつふつとたぎっている音楽の表面をちろちろりろりろと滑るように転がるくぐもった音のフレーズは、水道の蛇口からビーカーのふちいっぱいに水を注いだ時の、表面張力の限度ぎりぎりまで盛り上がった水面を思わせます。注がれる水の静かな勢いと、間近に迫った調和の破壊を見守る時の、あのいいようのないスリルを。
 
そして、ホーンセクションとヴォーカルがリフを繰り返し、曲は終わりを迎えます。水面が破れ、「決壊」した時の開放感に似た、突抜け感のあるエンディングです。
 
歌に入る前の、ジャズ・トランぺッター、ロイ・ハーグローヴとナイル・ロジャース(ディスコクラシック”おしゃれフリーク“のギターのひと)による、聴き手の体温をじんわり上げるソロパートも聴きものです。(特にハーグローヴの空気を切り裂くブロウときたら!)。
 
大げさかもしれませんが、音楽だけがつくることのできるスリリングな瞬間に立ち会える一曲です。セッションに参加したフェラ・クティの子息、フェミ・クティがこのセッションでの経験を”a time of my life”と呼んでいましたが、なるほど、とにんまりしてしまいました。

歌の部分からは、ここで聴く事ができます。写真の人物はフェラ・クティです。

セッションの雰囲気を見たい人はこちらをどうぞ。


Red Hot + Riot: Music & Spirit of Fela Kuti
Fela Kuti
Mca (2002-10-15)
売り上げランキング: 42542
おすすめ度の平均: 5.0
5スゴイ!買って良かった
5 Tribute album
5個人的な2003年のベスト






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2009年04月26日

Mature beautyの真実 ―シンディ・シャーマンの新作に思うこと―

Untitled Film Stillsファッション雑誌の年齢別化にいっそう拍車がかかる昨今。少し前ではあからさまにターゲットにされていなかった年齢層まで、「いけてますよ!どんどんいきましょう!」と鼓舞されるようになりました。目につくようになったのが、「女性は年を重ねるほどに美しくなる」という趣旨の記事。お手本となる国内外の方々のカバー・ストーリーで、過去と現在をライフスタイル込みで紹介するもの。でも、どうにも違和感を感じてしまうのです。褒めそやす「美しさ」の焦点が、お若い方を扱った時のそれと違う。その人の仕事やライフストーリー、暮らし、といった付属の部分も込みでの「魅力ある人」に変換されてしまうんですね。アピールしやすくわかりやすい”mature beauty“の提示方法なんでしょうけど、なんだかごまかされているような気がする。小じわも込みで賞賛されているのは、ジェーン・バーキンくらいではございません?どうも腑に落ちない。ぼんやりと前々から思っていた事を、形にしてくれた人がいました。シンディ・シャーマンです。
 
整っているけれど個性が強すぎない容姿を逆手に取って、架空のB級映画の女優や男性誌のセンターフォールドの「彼女」達、名画に限りなく似ている架空の絵の登場人物とカメレオンのように姿を変えた自分を撮影、独特の写真作品を作り続けているシャーマン。今回選んだテーマは、Powerを持った中年女性。爵位のある女性から石油成金の妻、実業家に社交界の住人、有名知識人。いずれも、階級、富、名声、権力といった何かを持っているという設定。雑誌がmature beautyの見本としたくなるような「魅力的」と称される人々。身なりもそれなりに立派で、指にはゴツい石の指輪が光っていたり、趣味の良し悪しは別として普通にドレスをお召しだったり。お庭やお屋敷といった、それぞれのステイタスを象徴する場所を背景に撮られた、2メートル近い巨大サイズのポートレートの彼女たちは、カメラをまっすぐ見つめ返し、自信に溢れています。
 
しかし、その顔は限界いっぱいまでメイクしていて、それでも隠しきれないシワがしっかりある。二の腕はやっぱりたるんでいる。そして、それはヴィジュアル的に、まことに残念ながら、魅力的とはいえない。どんなに美辞麗句で讃えられても、被写体になれば写し込まれてしまうそんな現実を、シャーマンはしっかり提示しています。雑誌に掲載する写真なら、ソフトフォーカスだ修正だとオミットしてしまう部分を、Powerに対する風刺でも、セレブ批判でもなんでもなく、見たままの姿としてそのままにすることで、シャーマンは彼女たちのなまなましさ、むき身の部分に迫っています。
 
人生の勝者として羨まれる生活をしていても、平等にやってくる老いに向き合わなければならない。他の事はなんとでもなるのに、鏡の中の変わりゆく自分をなんともできないもどかしさ、あせり、悪あがき・・・。勝ち取ったPowerゆえに、持たない人以上に美しく魅力的であることを強要され、無意識に「素」でいることを禁じている彼女達は、シャーマンによって美しくない部分を暴露されたことで、解放されたかのようです。みんなじたばたしているんじゃない?彼女達の「醜悪さ」に向けられた、同年代のシャーマンの視線には、これまでにない「共感」すら感じます。
 
この作品には、もう一つ趣向があります。Powerの根拠になっていたポートレートの背景は、実は、CGの「書割り」なのです。ショッピングモールの写真スタジオで撮る、おちゃらけポートレートで使われる類いの、ペラペラの虚構。つまり、シャーマンのマダム達のPowerは、クリック一つで消滅するもろいものなのです。彼女達は決して遠い存在ではない、背景が消えれば、彼女達は「あなた」になることを、シャーマンは暗に示しているようです。

シンディ・シャーマンの最新作はここで見る事ができます。
シンディ・シャーマンの過去の作品はここで見る事ができます。


The Complete Untitled Film Stills: He Complete Untitled Film Stills
Cindy Sherman
Museum of Modern Art
売り上げランキング: 26735
おすすめ度の平均: 5.0
5 映画よりも美しい





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2009年03月31日

3月の一曲(正確には一枚) Rokia Traoré Tchammantché ロキア・トラオレ “チャマンチェ”

Tchamantché音楽にどっぷりはまって結構な月日が流れましたが、いまだ足を踏み入れ難いのがワールドミュージックのコーナー。毛嫌いしているわけではないけれど、どうにも落ち着かない気分になるのです。好奇心いっぱいにエスニックフードを味わうように、自分の楽しみのために気軽につまんで楽しめないやっかいな性分も災いしてしているのだと思いますが、ワールドミュージックが自分の血肉となっている普段着の音楽と明らかに違う、「特別な音楽」であることにどうも原因があるようです。素晴らしい、でもしっくりこない。向き合うのにエネルギーがいる。そしてせっかく気合いを入れて買った一枚も、どこかに埋もれてしまう‐ワールドミュージックとのつきあい方は、いつもそんな感じでした。
 
しかし、このマリの女性が作る音楽は違いましたね。歌の言葉は彼女の国の言葉で全く耳馴染みがないし、楽器もメロディーも基本はアフリカのもの。洗練された音作りから、今の音楽を浴びて育った人が作るモダン・アフリカンポップの一つにくくられるべきものなのでしょう。しかし、この音は、私のよく知っていて、この上なく好きな音楽とつながっている。1曲目を聴いて思い出したのは、アメリカは深南部の片田舎で、ギターをつま弾きながら歌われていたカントリーブルースでした。
 
インターネットのおかげで、リスナーはワールドミュージックのブームが起こったころよりもより気軽に世界の音楽をつまみ食いできるようになり、また一方でより硬派な探求も可能になりました。しかし、そんな「違うこと」を前提にしたアプローチを超えて、ワールドミュージックのコーナーに分類される一人のシンガーの、「私」の音楽の追求の果てに、マリとアメリカ深南部がふっと結びつき、共鳴し合う瞬間がある。おもしろいと思います。
 
フランスを拠点に、音楽を発信しているトラオレ。フランス語、英語の曲もアルバムに収録するひとでもあります。ワールドミュージックというくくりをすり抜け、洋楽漬けの日本人に身近に置きたいと思わせる、そんな音楽が、世界中が耳を傾ける新しい音楽になるのかもしれません。

問題の1曲目はここで聴く事ができます。


Tchamantché
Tchamantché
posted with amazlet at 09.03.31
Rokia Traoré
Nonesuch (2009-01-13)
売り上げランキング: 75014
おすすめ度の平均: 5.0
5 アフリカ音楽の底知れなさ!!!




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2009年03月06日

サンローランについて、もう少し(1) 愛した物たちの葬送 −サンローランの美術コレクション 競売に−

yves-1-2.jpgイヴ・サンローランと彼の長年のパートナー、ピエール・ベルジュの美術コレクションのオークションは世界中の関心を集めました。3日間で700点を超える品が出品され、総売り上げは約430億円。動いたおカネの大きさはもちろんのこと、競売にかけられた品々が、美術の教科書に出てくるようなミュージアム・ピースばかりだったことも話題になりました。

個人コレクターが、これだけの見事な美術品を数多く所有できたのは希有なこと。いくつかの条件が、幸運にも重なった結果と言えます。まず、潤沢な資金。世界中で売れに売れた服・化粧品・香水がもたらすマネーは、好きな物をためらう事なく購入する自由を二人に与えました。次にタイミング。ごく若いうちに成功を収めたサンローランは、投資マネーとも無縁な牧歌的な時期である60年代末からコレクションを始めることができました。芸術家の家族や親しい人々が所有する作品が、望めば手に入れられる状況にあったのです。そして、二人の美への純粋な愛情と強い意志。サンローランとベルジュは、美術史はもちろん芸術家の人生と作品について徹底的に学んだ上で、これぞという品を手にいれてゆきました。モットーは「芸術家の創作歴で最も重要な時期に製作された作品で、作者以外の一切の手が加えれておらず、ちゃんとした証明書がついていること。」惚れ込んだ作品であれば、即購入。どんな値段でもベルジュは受け入れ、サンローランは値段すら尋ねなかったといいます。

かくして、ベル・エポックのファッションデザイナーでサラ・ベルナールのごひいきであったジャック・ドゥーセ所有のアールデコ・コレクションを皮切りに、二人は次々と美術品を手に入れてゆきました。ジェリコやゴヤ、アングルといったヨーロッパの古典絵画、セザンヌにピカソ、マティスにモンドリアンなどの近現代の絵画、彫像、はては家具、工芸品にいたるまで、幅広いジャンルの古今東西の品々が収集されました。セレクションには二人の美へのこだわりが反映されています。例えば、シュールレアリストの手による作品は一点もありません。名誉とも所有欲とは一線を画す深い思い入れ、別居後も二人を結びつけ続けた美しい物への愛が、ひとつひとつの品に込められているのです。

ysl02.jpgモンドリアン・ルック等デザインのインスピレーションの源ともなった大事な「資産」は、サンローランとベルジュの生活の一部でもありました。手に入れた美しい物を身近に置き、いかに愛でるかにもこだわったのです。手本になったのは、このブログでも紹介した、マリー=ロール・ド・ノアイユ。マダム・ビザールと呼ばれた公爵夫人のサロンは、父祖の代から受け継いだヨーロッパの古典美術品と、夫人好みの現代美術の作品がモダンで簡素な室内に一緒くたして飾り付けられ、新旧の美が「悪趣味」と「絶妙なセンスの良さ」の間でせめぎあう独特の空間として知られていました。ノアイユ夫人の流儀に従って、二人は住まいをコレクションで埋めていったのです。もくろみは見事成功し、曰く言い難い夢のような空間が生まれました。

パリにある2つの住まいを埋め尽くし(かける場所がなく、ドガのパステル画はビデとトイレの間の壁に飾られたとか)、二人の日々を見守ってきた美術コレクション。思い出が詰まった、愛着ある品々の大半をベルジュは売りに出しました。「イヴが生きていれば、決して同意しなかったろうね。」パクスしたパートナーとして、有能なビジネスマンとして、イヴを支えてきたベルジュは、ヴァニティー・フェア誌のインタビューで語っています。「イヴが亡くなった今、コレクションも意味を失った。全ては終わったんだ。自分の葬式に参列することは誰にもできないけれど、愛した物の葬式は出してやることができる。」

売り上げは、イヴの仕事を後世に伝えるべく設立された財団と、エイズ研究のために設立された財団の資金にあてられます。ウォーホルが手がけたイヴと愛犬ムジークのシルクスクリーンのポートレート、そしてグラフィックデザイナー、カッサンドルがデザインしたかの有名なサンローランのロゴマークの原型イラストは、売らずにベルジュの手元に置いておくそうです。

業界人の間で伝説となっていたサンローランのパリの住まいの映像は、ここで見る事ができます





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2009年03月01日

セレブを斬る! - フランスの人気コメディエンヌ -

セレブ繋がりという趣旨か、フランス版”ヴォーグ”1月号で取り上げられていたのが、フランスのコメディエンヌ、フローレンス・フォレスティ。サラ・ペイリンなりきりスケッチでオバマ大統領選出に貢献した?アメリカのコメディエンヌ、ティナ・フェイの向こうを張って、フランスはもちろんアメリカのセレブの皆さんを演じ、大人気です。

ネタにされているのは、大統領の別れた妻セシリア・サルコジに、カメラ写りを極度に気にするロワイヤル元社会党書記長、イザベル・アジャーニ(スコットランドの女王メアリの霊に取り付かれた状態で登場!)、セリーヌ・ディオン、マドンナ、パリス・ヒルトン、そして最近復活をアピールしているブリトニー・スピアーズ。
 


当然の事ながら、そっくりさん振りで笑いを取るはずもなく、話題の人々をデフォルメしてフォレスティ流に批評しているのですが、個人的にはアメリカのセレブのおちょくり方が興味深い。テレビ番組にセレブがやってきた、という設定で、司会者のフランス語の問いかけにどう反応するかが笑いのポイントになっています。投げやりに、でもフランス語でなんとか受け答えちゃうブリトニー(ベビーカーを押し片手に抱えた赤ん坊(の人形)を落っことして登場)、「自分で通訳しちゃうわねえん♡」と語尾上げ英語でしゃべったとたん、色気0パーセントの愛想なし通訳に切り替わるパリス。次第に通訳のペルソナが暴走、勝手に本音のしゃべりだしてしまい、笑いを誘います。そして英語ととっても怪しげなフランス語のチャンポンで、往生際の悪い会話をするマドンナ。他の国のみなさまと同様アメリカのポップカルチャーを楽しんでいるけれども心酔しきっている訳ではない、そんなフランス人の本音もちらと見えて興味深いです。

イギリス人になりきることでミシガン州出身のイタリア系アメリカ人からクラスアップ?を計ったマドンナは、特にからかいがいがあるよう。まだまだ現役セクシーアイコンよ、と特権意識むき出しの振る舞いはもちろん、インタビュー中にメイク休憩を取ったり、ピントのはずれたコメントをあやしいフランス語でぶっちゃうなど、笑いのポイントを随所に盛り込んでいて個人的にも爆笑しちゃいました。

パリ・マッチ誌の表紙を愛娘とツーショットで飾ったママで、バッグと靴に目がなくて、おしゃれ大好き。かといってブランド信奉者ではなく、お気に入りの29ユーロのH&Mのドレスで堂々公の場に登場してしまうフォレスティ。彼女の次のターゲットになるアメリカ人は誰なのか、興味しんしんです。

□上の youtube の画面はフォレスティによるパリス・ヒルトン
フォレスティによるマドンナ
フォレスティによるセゴレーヌ・ロワイヤル
フォレスティによるイザベル・アジャーニ
フォレスティによるブリトニー・スピアーズ





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2009年02月22日

After Hurricane −ステファニー王女の復権−

monaco01.jpg1月号のフランス版『ヴォーグ』誌は特別仕様。編集長として、モナコ公国のステファニー王女を迎え、彼女にスポットを当てた内容になっています。
  
ステファニー王女はハリウッド黄金時代の名花グレース・ケリーとモナコ公国のレーニエ大公の次女で、ゴシップ誌をにぎわし続けてきた人としても有名。ファッションモデル、ポップシンガー、スイムウェアのデザイナーという「お姫様らしからぬ」キャリアを歩んできたこともありますが、未だ終止符を打たない華麗な男性遍歴もその理由の一つ。映画俳優や有名人の息子といったセレブから、王女には相応しからぬタイプの男性(ボディーガードにサーカスのブランコ乗り!)とさまざまなタイプの男性が登場します。

そして王女自身の人生にも傷跡として残る、母の交通事故死。同乗していたハイティーンの王女は、ケガのために母の葬儀に参列できなかっただけでなく、事故原因を詮索する世間やマスコミに疑惑をかけられるという過酷な経験もしました。

姉のカロリーヌ王女も80年代に一号限りのヴォーグ特別編集長になりましたが、いろいろあったステファニー王女だからこそ、今回の一冊はなかなか興味深い。

まず、ファッション・アイコンとしてのステファニー王女。短期間ではあるもののプロのモデルとしてファッション雑誌のためにポーズをとったのはもちろん、歌手・話題の跳ねっ返りプリンセスとしてメディアに露出していた王女のイメージそのものに、スポットが当てられています。背が高く肩幅を感じさせる、アスリートのような体つき(カービィーな女性らしいボディの逆ですね)。ブルネットの短い髪に、ナイーブさと野生がないまぜになった不思議な面差し。そして、惜しげなく人目にさらした、いやらしさのない水着姿。ボーイッシュとも、中性的とも呼べない不思議なムードを漂わせたそんな王女の独特なイメージが80年代にもたらしたインパクトを、今の視点で表現しています。極めつけは、ミラ・ジョボビッチが誌上で演じるステファニー王女でしょうか。王女が当時着こなしていた、ショート丈の皮のブルゾンに、ごく色の薄いジーンズ(もちろんローライズじゃない!)の組み合わせを現代のアイテムで蘇らせ、一歩踏み外せばおしゃれと呼べないきわどい試みを見事成功させています。

最大の目玉は、ステファニー王女本人が登場するページ。代表を務めるエイズ予防と患者支援のための団体『ファイト!モナコ』の活動の紹介(今回のオファーを受けたのも活動の啓蒙・宣伝のためだそう)に、家族の写真、彼女の好きな物のコラージュ(好きな映画にフランス製時代物どたばたコメディを選んでいるのが、人柄をしのばせます)。そして、彼女へのインタビューと、現在の彼女がモデルとなった写真。それなりの年齢を重ね、いい意味で枯れた王女の素を覗かせた写真が、シングルマザーとして、チャリティの責任者としての生活を語る彼女の言葉とあいまって、深みを与えています。単なるビバ!80年代的な企画に終わらなかったのも、タトゥーも含め全てをさらけ出した王女に創り手も応えたからではないでしょうか。

いくら天下のヴォーグが持ち上げたとて、80年代にフランスでヒットした王女のポップソング“Ouragan”(ハリケーン)のビデオクリップは、見ている方が赤面しちゃう代物です。ただ、モデルとしても、シンガーとしても、王族のメンバーとしても器用に立ち回ったとは言えず、ただ自分に素直に生きてきた王女の存在感は、90年代以降に登場した、自在にイメージを変えファッション界でのポジションを守り続ける賢いスーパーモデル達にはない何かがあります。

ステファニー王女のビデオクリップ(from youtube)
□ミラ・ジョボビッチの一連の写真はここでみることができます。





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2009年02月15日

2月の一曲 Anthony Hamilton - Change Your World

ちまたにチョコレートが溢れ、Sweet Toothの持ち主にはたまらない2月。お菓子の力を借りずとも充分盛り上がってます、というあなたを更にスウィートな気分にさせてくれる一曲を選んでみました。

古き良きソウルミュージックの歌心を守りつつ、懐メロでない今の音で勝負し続けるシンガー、アンソニー・ハミルトンの”Change The World”。セカンドアルバム”Ain’t Nobody Worryin’ ”に収録されています。

いい年のおじさんであるハミルトンがせつせつと歌い上げるのは、恋に落ちてしまった真面目な男の心模様。「世界がひっくり返ってしまった」と、経験したことのない変化に胸ときめかせる、素朴な告白を、フィリーソウルのマナーにのっとったスウィートなアレンジがぐぐっと盛り上げます。都会のLadies’s manでもマッチョなタフガイでもない、自称「南部の田舎者」のハミルトンの気取らないホットなノドが、微笑ましいほどの甘い恋の歌に深みを与えています。塩辛い声質も手伝って、おいしい塩キャラメルのような味わい。どうぞ、召し上がれ。

Anthony Hamilton - Change Your World(from youtube)


Ain't Nobody Worryin'
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Anthony Hamilton
So So Def/Zomba/Arista (2005-12-13)
売り上げランキング: 118291
おすすめ度の平均: 4.5
4 男前!
4 80's風現代R&B
5 まさにソウルシンガー。




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2009年02月02日

“First Lady’s Choice”

RubenIsabelToledo03.jpg世界中が注目したオバマ大統領の就任式。歴史的な瞬間を目撃するため夜更かしした方も多い事と思いますが、ファッショニスタの関心事は「ミシェル・オバマが何を着るか」。選挙キャンペーン中から、ブランドネームに寄りかからず「ファッションで自分を表現することに臆しない」姿勢はもちろんのこと、冒険をおそれない大胆さとセンスのよさで、ミシェル夫人は世のお洋服好きを驚かせてきました(例えば、アライアのベルトのようなエッジのきいた小物をさりげなくしていたり)。政治家の妻らしからぬ絶妙な着こなしの裏には、ひいきにしている地元シカゴの高級セレクトショップのオーナー氏のアドバイスもあるようですが。
 
このままいけば春頃には公の場でマルタン・マルジェラを着てしまうんじゃないかと噂されるミシェル・オバマが、ファーストレディーとなる日の記念すべき一着として選んだのは、マンハッタン在住のアメリカ人デザイナー、イザベル・トレドのもの。実に心憎い選択で、思わず嘆息してしまいました。
 
イザベル・トレドとは、どんなデザイナーでしょう。業界人は、世間がチェスの天才プレーヤーに寄せるような畏敬の念をこめて、こう呼びます−「Designer’s designer」。服作りに関わる人が手に取れば、そのカッティングを含めた造形の見事さ、素晴らしさにうならされてしまうそうです。また、彼女はいわゆるデザイン画を描きません(!)。平面の布を前に、頭の中でパターンを折り紙のように組み立て、2次元の発想ではとても考えつかない夢のような服を、自分で針を持って作ってしまう。まさに「完璧な」デザイナーなのです。
 
RubenIsabelToledo01.jpgクラーク・ゲーブルそっくりな父と女性だけの野球チームで捕手をするなど活発な母のもと、キューバからの亡命者一家の娘としてニュージャージーで育ったトレドは、幼くして洋裁を学び、自分や姉妹のために自分でデザインした洋服を作ってきました。ニューヨークの有名ファッションスクールで学んだ後、お針子としての腕を買われて、メトロポリタン美術館の服飾部門で、元ヴォーグの名編集長、ダイアナ・ヴリーランドの下アシスタントとして働きます。クチュールのマスターピースを解き、裏返し、縫い直す作業は、トレドいわく「幼児が一言一言、言葉を覚えてゆくようなもの」で、とても勉強になったそうです。ほどなく独立、最初のコレクションで発表した作品はマンハッタンの超高級店バードルフ・グッドマンのウィンドウを飾るなど、業界内でセンセーションを巻き起こしました。
 
オリジナルな造形から川久保玲と同列で語られる事もあるトレドですが、彼女の服は決して奇抜な訳ではなく、むしろ第一印象は「クリスチャン・ディオール本人が手がけたヴィンテージ?」と思わせるぐらいクラシカルで上品。トレンドとかスタイルとか表面的な次元を超越した、根源的な美しさの追求こそが、創作の基礎となっているようです。ちなみに、トレドは自分の作品の事を”Romantic Mathematics”とよんでいます。
 
同じくキューバ移民の息子で、ローティーンの頃スペイン語のクラスで出会ってからずっとそばにいる著名イラストレーターの夫、ルーベンと、彼の父を含む十数人ほどの人々とともに、マンハッタンの片隅でアルチザンのように納得のゆく服だけを作り続けるトレド。一年に作るのはせいぜい数百着、お取り扱いはバーニーズ・ニューヨークやパリのコレット等本物がわかる一部高級ショップのみ。一時招かれてアン・クラインのためにデザインしたことはあったものの一年ほどで契約を解かれてしまい、知る人ぞ知る存在であった彼女は、ミシェルのおかげで一躍注目の人となりました。
 
RubenIsabelToledo05.jpg「ミシェル・オバマのために何点か製作したけれど、就任式に自分のドレスが選ばれるとは全く知らされていなかった」とはトレドの弁。テレビを見てびっくりしたとか。大量消費されあっというまに飽きられるファースト・ファションではなく、着る人が変わっても大事にされるHand-me-down(お下がり)の創り手でありたい、服作りに対する姿勢について、彼女はそう語っています。就任式の後の舞踏会のドレスに台湾出身の新進デザイナーの一着が選ばれたことから、トレドの起用も彼女の出自を意識した、政治的な配慮によるものだとするうがった見方もあるようですが、個人的にはファーストレディーが自分が一番輝かせてくれる服を選んだだけだと思っています。トレドが、今後もミシェル・オバマのために、彼女の娘達に受け継がれるタイムレスな作品を作ってくれる事を願ってやみません。

※昨秋ニューヨークのバーニーズでトレドの服を見ましたが、セールになってもゼロが4つつく立派なお値段で、泣く泣くあきらめました。ご主人のルーベンのイラストレーションがそばに飾られていて、互いに引き立てあっていたのも印象に残っています。ちなみに、購入する人の多くが業界人で、解体してコピーするためにお買い上げしていくのだとか。


Isabel & Ruben Toledo Speak with Rose Brantley at Otis
Isabel & Ruben Toledo A Marriage of Fashion and Art




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2009年01月27日

“Silence” by Liberation Music Orchestra

The Ballad of the Fallen2009年の最初の月に紹介したいのがこの一曲。リベラルな立場でメッセージ性の強い真摯な作品を発表してきたモダンジャズ・オーケストラ、リベレーション・ミュージック・オーケストラのセカンド・アルバム“The Ballad of the Fallen”に収録されています。
 
曲の構成はいたってシンプル。音数の少ない、静謐な印象のモチーフとなるメロディーを10回繰り返して終わり。ただし、トランペットソロによる、祈りを思わせる静かな導入から、メロディーを繰り返すたびに一つ、また一つと楽器が加わるしかけになっています。重ねられた響きは、サクソフォンのような官能的な「声」も混じってふくよかさを増し、いつしか血が通った豊かなうねりに変わります。オーケストラの全ての楽器が1コーラスをクレッシェンドで合奏した後、ほとんどの楽器がふっと気配を消し、最後に取り残されたピアノがワンコーラスを弾き、曲は終わります。
 
リーダーであるベーシスト、チャーリー・ヘイデンはライナーノーツでこうコメントしています。「Silence は、人生におけるあらゆる事の始まりと終わりに存在するものだ。」この曲は、まさにその言葉そのものです。聴き手はひとつの曲の「始まり」と「終わり」に立ち会い、最後のピアノソロが終わった瞬間、聴き手は文字通りの“silcence”と向き合うことになるのです。
 
最後の一音が消えたときの瞬間は、何とも言えない、複雑な気分にさせられます。支えがはずされ、ぽつんと一人放り出されたような頼りなさでしょうか。しかし、そんな胸をざわめかせる、不安なSilence こそが、また新しい音を、響きを生む場でもあるのです。
 
これからの12ヶ月、世界はどのような音楽を奏でるのでしょう。年の初めに聴くこの曲は、清冽な祈りとともに、不安やよるべなさを恐れず前に向かう覚悟を促しているかのようです。

※”The Ballad of the Fallen”は、iTunes storeでは、Carla Bley & Charlie Hadenのアルバムとして登録されています。


The Ballad of the Fallen
The Ballad of the Fallen
posted with amazlet at 09.01.27
Charlie Haden with Carla Bley
ECM (2000-04-11)
売り上げランキング: 136841
おすすめ度の平均: 5.0
5 音楽家たち、その声



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2008年12月18日

クリスマスソング GOYAAKOD編

Donny Hathawayクリスマス、といっても、無宗教いいかげんの身としては、巷に流れるそれ用の音楽を全身に浴び続けて(ジョン・レノンの例の曲がかかるたびに後ろめたい、疾しい気持ちになり)その日が過ぎるのをやり過ごす、というのが常。とっておきのクリスマスソング、隠れた名曲のストックは、残念ながらありません。ただ、この季節にDonny Hathawayの”This Christmas”を聞くと、クリスマスが本当の意味で特別な日である文化圏の人々がこの日に寄せる思いをおすそわけしてもらった気分になります。たいていのクリスマスソングはぬくぬくとした暖かさを演出・強調するきらいがありますが、この曲は「寒いんだけど楽しい!」という不思議な高揚を感じさせてくれるように思います。絶妙なアレンジの為せる技でしょうか。Donny Hathawayの音楽はmy type of musicと言い難いところがあるのですが、このクリスマスの歌だけは別。ベスト盤に収録されていますし、最近はどこでもあちこちでかかってます。

This Christmas / Donny Hathaway

Squeezin’&Blowin’そして、クリスマスとは直接関係ないけれど、ちょっと触れておきたいのが吾妻光良とThe Swinging Boppersの『おもて寒いよね (Baby, It's Cold Outside)』。アメリカのスタンダード・デュエットナンバーの翻案(日本語で歌ってます)で、原曲は今スタバでクリスマス・シーズンのミューザックとしてかかりまくっており、耳障りのよい昔の歌と認知されていることと思います。今回ご紹介する翻案バージョンは、原曲の明るくインティメイトな雰囲気を大事にしつつ(「帰る/今夜は帰さない」を巡る彼と彼女の攻防戦がテーマ)、くすぐりのツボを50%増量!特に引き止めようとやっきになる彼のかわいさアホらしさは、リーダー吾妻氏のだみ声の味わいと相まって、絶妙です。思わず吹き出しそうになるわ、気持ちも温かくなるわ、いいことずくめの冬のお楽しみ。アルバム『Squeezin' & Blowin'』に収録されています。

Baby, It's Cold Outside / Margaret Whiting & Johnny Mercer



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2008年11月02日

She is so Peculiar! デビッド・セダリスの妹エイミーのこと

amysedaris02.jpgアメリカ大統領選挙まで残すところ数日となりました。でもこの期に及んでまだ決断していない人がいる!在仏アメリカ人でとっくに投票をすませたとおぼしきデビッド・セダリスは、最新エッセイで、投票目前のこの時期に決まってニュースに登場する「まだ決めてない人」達へのいらだちをあらわにしています。セダリス曰く、今回の選挙は、「機内食を選ぶみたいなもの。」カートを引いたCAが提示するメニューは「チキンか、SXXTの大盛り(ガラスの破片の入り)」。迷いようがないのに、チキンの調理の仕方はどうかしらなどと悩むなんて!あげくに、消化してしまえば結局同じことなんだからまあいいか、ともう一方を選ぶことを考えたりするとは!お忘れなく、ガラスの破片がしっかり入っているんですよ!(セダリスが誰に一票投じたかは一目瞭然ですね)。

チキンにせよ、大盛りの方を選ぶにせよ、アメリカ国内にいる有権者は運命の日を間もなく迎えるわけです。グリニッジヴィレッジに住むセダリスの妹、エイミーもその一人。今回はお兄さんに負けじおとらずなかなかな人物である彼女のことをご紹介します(写真上は兄妹のツーショット)。

エイミー・セダリスは、コメディエンヌ、女優としてアメリカではとてもよく知られた人物。日本でもヒットしたドラマにゲスト出演したりしています。『Sex and the City』でキャリーの本を手がけた編集者、『名探偵モンク』ではナース シャローナの妹ゲイル、といったらピンとくる人がいるのでは?今挙げた役柄からは、小柄で元気のいい女性、という穏やかなイメージしか浮かばないかもしれませんが、アメリカでのエイミー・セダリスのキャラクターはずばり「ぶっ飛んだ女性」、なのです。

I Like Youまず、ブレイクのきっかけとなったのが、お笑い専門ケーブル局のコメディシリーズ『Strangers with Candy』。エイミーが演じたのは、高校に再入学した元ジャンキーで娼婦の46才のヒロイン。実年齢よりはるかに年上なすっとぼけたオバちゃんを、ぶ厚い老けメイクとはっちゃけた演技で見事にこなし、一躍人気コメディエンヌとなりました。雑誌『ヴァニティー・フェア』のコメディエンヌ特集でもペイリン副大統領候補に扮して大評判のティナ・フェイやマヤ・ルドルフ(故ミニー・リパートンの娘)等と一緒に、アニー・リボヴィッツ撮り下ろしグラビアに登場しています。他のコメディエンヌ達がドルガバだ毛皮だとゴージャスに変身しているのに、ホットパンツの上に臨月のハリボテのお腹がせりだした年増のフッカーに扮装して!

喜劇女優、としてだけでなく、エイミー・セダリスそのひとも実にユニーク。人気長寿トーク番組『Late Night with David Letterman』もそのone and only なたまらんおしゃべりのおかげで、よくゲストに招かれています。趣味のいいハイヒールにドレスで登場する彼女は大昔の褒め言葉「トランジスタ・グラマー」そのものですが、口を開けばまあしゃべるしゃべる。止まりません。長年の付き合いの「空想の彼氏」の話だとか突拍子もない話題を、自在に変化する表情(ヘンな顔も含む)も交えて自分のペースでしゃべりまくり、百戦錬磨の司会者レターマン氏もすっかり呑まれて笑っちゃうしかない程。しかし、その姿は決して見苦しくもおしつけがましくもなく、いい意味ですれていない。おしゃまでエネルギーに溢れた子供のおしゃべりを思わせます。

amysedaris01.jpgプライベートもユニークなことで知られるエイミー。趣味の料理・お菓子作りは、本気の料理本を出版してしまうほどの腕前。マーサ・スチュワートの番組で教祖マーサ様とケーキ対決したりもしています。また、ペットのウサギに寄せる深い愛も有名。その表現の仕方も彼女らしい。ウサギの食い扶持を稼ぎだすために、自宅のキッチンでお菓子のケータリングを始めてしまいました(ご本人がちゃんと作ってます)。といっても、金銭的な理由ではなく「ウサちゃんがペットの立場に甘えないで、自分の食べる分を稼げるよう」仕事を作るのが起業の目的。副社長のポストを与えられた彼女のウサギの仕事は、「かわいらしくしていること」と「社長がお菓子作りに励むのを見守る事」です。

エイミーのお菓子作りとウサギへの愛をネタにして、彼女のウサギの名前を冠したビジネス、Dusty Food Cupcakesの奮闘ぶりを描くソフトウェアのコマーシャルをマイクロソフトが作っています(タイトルは”Rabbit Rescue”)。エイミーがどんな人かとってもよくわかる、よくできた作品です。もちろん、ウサギ好きなあなたにも満足な内容。You-tubeで見れます。お楽しみあれ。(トークショーの登場場面もけっこうアップされていますよ。)




□関連エントリー「デビッド・セダリス-仏蘭西のアメリカ人



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2008年10月04日

パリの Cabinet des Curiosités その消失と再生

2008年2月。パリ。ブティックや花・雑貨を扱う上品な店が立ち並ぶバック通りで、電気系統の故障による失火により、一軒の店が焼け落ちました。19世紀から続く老舗を襲った災難のニュースを聞きつけ、多くの人が焼け跡を訪れましたが、火事見舞いの人々に混じって、一風変わった顔ぶれがいました。現代美術のアンセルム・キーファー、ミゲル・バルセロ、ホアン・ヨン・ピン。写真家のナン・ゴールディン、ソフィー・コール。一体何がこのそうそうたるメンバーを火事の現場に引き寄せたのでしょう。それは、店が扱う「商品」のせいでした。
  
Deyrolle.jpgその店、デロール Deyrolle は、世界最大の剥製・標本専門店。昆虫学者として有名だったデロール氏が剥製の製作・販売する店をオープンしたのは1831年。象のような大型動物の剥製を作り高い技術で名を成す一方、教育用の動植物の精緻な図版(理科室によく飾ってある例のポスターですね)や理科の実験用具の製作・販売でも財をなしました。自然の素晴らしさを世に伝えたいという創業者の精神から、お子様を始め一見の客も歓迎する姿勢を貫き、自然科学愛好家だけでなくクリエイターのインスピレーションをくすぐる、みんなの Cabinet des Curiosités として長年愛されてきました。

2000年12月にフランスの名門貴族の一員で、ガーデニング愛好家としても有名なルイ・アルベール・ド・ブロジー公(自邸で栽培する600種を超えるトマトについての著作もあり)がオーナーになってからは、デロールはよい意味で変わりました。まず大胆に手が加えられたのが店の内装。重厚な木のキャビネットを設置、創業当時のインテリアが再現されました。らしからぬ瀟洒な室内に剥製や標本が並べられた光景は、商店というより個人の密かな楽しみの部屋に迷い込んだような演出効果を生みました。商売柄、互いに相容れない関係にある自然保護運動にも歩み寄ったのも変化の一つ。希少動物保護を目的とするワシントン条約の遵守はもちろん、剥製にする生物の死亡状況に問題がないか確認するなど、剥製につきまとう「アンチ自然保護」のイメージ払拭のために、地道な取り組みが行われました。また、ショーウインドウのデコレーションに剥製を貸し出すなどのレンタルするなど、新しいビジネスの模索も始まっていました。現代と共存する剥製商を目指し努力が重ねられていた、そんな矢先に、悲劇は起こったのです。
 
剥製の製作用に可燃性の薬品を扱っていたことも災いし、火は内装の90パーセントを焼き尽くしました。焼失を免れた標本や剥製は、軍の協力を得て軍の倉庫に一時保管されることになりましたが、焼け残った剥製を運び出す作業は、ちょっとした見物となりました。古き良き時代の面影を残す街路に面した焼け跡から、エスニックそのものな野生動物の剥製がパリ石畳の街路をしずしずと運びだされる光景は、「ノアの箱船」めいた風変わりなページェント。芸術家にとって、目撃せずにはおられない、刺激的なスペクタルだったのです。
 
パリの隠れ名所を襲った悲劇は世界中に伝えられ、再建のために各方面から手が差し伸べられました。フランス政府はもちろんのこと、エルメスは限定版のスカーフを売り出し、売り上げをデロールのために寄付するプロジェクトを始めました。また、クリスティーは、再建資金集めのためこの11月に特別オークションを行うことを決定。デロールからインスピレーションを得てきたアーティストが作品を提供するそうです。
 
deyrolle1.jpgデロールの魅力は、博物館の学術的展示とは縁のない、無茶な展示方法にあります。淡いエメラルドグリーンや赤に塗られた壁の室内、古めかしい木製キャビネットの中と、いたるところに実に無造作に並べられた、大小さまざまな元生き物達。大きな熊の前に愛らしい子羊達がちょこんと座っていたり、ホッキョクグマの横にニワトリがいたり。ライオンの横で、トラが飛びかかる寸前の状態でフリーズしていたり。まさに、シュールレアリストの夢そのもの。住む場所も生態も全く異なる元生物が、上品な居間を思わせる室内で、今にも動き出しそうな様子でごっちゃに共存しているこの不思議は、デロールでしか味わえないものといえるでしょう。剥製・標本を一緒に商うため必然的にこういう空間が生まれたのかもしれませんが、学問や自然保護の視点から解き放たれ、生き物のフォルムの見事さや美しさを素直に楽しみ、自然界ではありえない取り合わせの妙とむき出しのエキゾティズムを愛でることを許される場所は、ここにしかないのではないでしょうか。人が抱く、美しいもの、愛らしいものへのピュアな愛情と静かな情熱が、ネガティブな要素を全て排除し静かに形になったもの、それがデロールの部屋なのかもしれません。
 
完全復旧したとはいえませんが、既に店の一部は営業を始めています。機会があれば、立ち寄られては?


□「Vanity Fair 2008年9月号」を参照。

デロールのウェブサイト:店内の美麗な写真が満載。わくわくすること間違いなし。エルメスのチャリティ・スカーフもチェックできます。

□デロールを紹介した本としては、「月刊たくさんのふしぎ 2003年12月号好奇心の部屋 デロール」(今森光彦著、福音館書店刊)がおすすめ。自然科学系写真家の視点で捉えたデロールの魅力が、多数の図版とともに紹介されています。品切れのようですので、図書館でご覧ください。





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