ブライアン・ジュベール Brian Joubert (24) は、フランス国内でトップのみならず、目下国際スケート連盟による世界ランキング1位という実力者です。その美貌も手伝って母国フランスではアイドル的な扱いをされるほどですが、スケーティングは力強く男性的で、アート嗜好が強かったり中性的なタイプの選手が多い昨今の男子選手の中では逆に目立つ存在です。彼の得意とするのは何よりもジャンプで、4回転ジャンプの成功率の高さは現在1番でしょう(今季はまだ調子が悪いようですが)。昨季の世界選手権では、1つのフリースケーティングのプログラムで4回転ジャンプを3回成功させるという偉業まで成し遂げました。しかしこの話は、快挙を終えて優勝を確信した彼がその後の演技で手を抜きすぎたために、結局2位に終わったという笑えないエピソードのおまけつきです。演技最後のスピンをしている頃には笑いが止まらない感じだった彼が点数を見たときの呆然とした表情は忘れられません。しかし最近の衣装の趣味悪すぎ・・Brian Joubert - short program 2008
ヤニック・ポンセロ Yannick Ponsero (22)は、最近力を伸ばしつつある選手。彼もジャンプが得意で、高度なジャンプを決めれば高得点を獲得できる力を持っています。これまではショートプログラムではいつも上位に食い込むものの、フリーでは失敗して総合順位を落としてしまうことがたびたびだったのですが、今季は日本で行われた NHK 杯でもミスの少ない演技で3位に入るなど、調子を上げています。ベートーヴェンの交響曲第5番を現代風にアレンジした音楽に、ストリートダンスを思わせるステップ(おそらく昨季の高橋選手のヒップホップから影響を受けたのでは)を用いた今季の個性的なショートプログラムが印象的でした。タヌキっぽい垢抜けない風貌が何だか可愛らしい要注目のスケーターです。Yannick Ponsero - short program 2008
ジュベールの次の座をそのポンセロと争っているのは、アルバン・プレオベール Alban Préaubert (23)。180センチ以上の長身でダイナミックな演技をする彼も、4回転ジャンプ成功者のひとりです。技術もさることながら、彼の魅力はそのキャラクター。これまで蜂や吸血鬼などに扮してユニークなプログラム(振付は日本でも有名なニコライ・モロゾフ氏)を披露して国内でも人気を博してきましたが、今季のショートプログラムではブラッド・メルドーによるレディオヘッドのカヴァー曲を使うなど、コミカルだけではない彼の新しい一面が見られました。エキシビション用のプログラムでは、スクリーミン・ジェイ・ホーキンスの I put a spell on you(ジャームッシュの映画「ストレンジャー・ザン・パラダイス」で流れる曲です)を使っていて、未見なのですがこちらも楽しそうですね。お茶目な感じのする彼は、実はグランゼコールに通う秀才でもあり、文武両道のアスリートなのです。Alban Préaubert - short program 2008
こうやって見ると三者三様ですね。現在6カ国で行われていたグランプリ・シリーズの競技会が終わり、その総合成績における上位6選手がもうすぐ韓国で行われるグランプリ・ファイナルで優勝を争うことになるのですが、フランスからはジュベール選手が出場を決めています(日本からは小塚選手が出場。日本女子では浅田真央をはじめ3選手が出場します)。来年3月にロサンゼルスで行われる世界選手権も含めて、日本選手だけでなくフランス選手の活躍にもぜひご注目ください。
exquise@extra ordinary #2
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