もろボサノヴァ、というのはちょっとな〜と思っていた私でも、ジョアン・ジルベルトの Ela E' Carioca (1970)を聴いたときは、さすがにじーんとしてしまいました。このアルバムは、ボサノヴァブームが終焉の時を向かえた後、妻アストラッドとの離婚しアメリカを離れたジョアンがメキシコで不遇な生活を送っていた時期に録音されたもので、美しい旋律は同時にどこか物悲しさも漂わせています。非常にシンプルな作りだけに、彼の声の温かみがストレートに伝わってきて、文字通り「心の琴線に触れる」音楽であり、この作品は彼の最高傑作とも言われています。アコースティック・ロックやフォーク・ロックが好きな人にぜひ聴いてもらいたいです。Joan Gilberto - Farolito
そのジョアン・ジルベルトに影響を受けつつも、ジャズ、ロック、ポップスなどの要素を取り入れ、ボサノヴァを都会的な音楽へと進化させたのがマルコス・ヴァーリです。チャーミングでお洒落なアレンジと彼の明るいヴォーカルを聴いているだけで顔がほころんでくるような楽しさが感じられ、夏にぴったりの音楽でしょう。おすすめのアルバムは色々あるけれど、まずはその名も Marcos Valle (1970) をご紹介します。フランスのミシェル・ルグランを思い出させるようなオーケストラをバックに従えた華やかな音から、メロウなしっとりとした音まで実に耳に心地よく響き、彼のヴァラエティ豊かな音楽性が味わえます。傑作はほかにもあれど、このアルバムを挙げたのは、何といっても奥さんとのデュエット Êle E Ela (彼と彼女)があるから。聴いてるこちらが赤面しそうなぐらいラブラブ〜なスキャットが流れてくると、しあわせのお裾分けをいただいた気分になります。Marcos Valle - Os Grilos(残念ながら「彼と彼女」は見つからず)
最後は・・ボサノヴァではなくソフト・ロックからのご紹介。1960年代の後半から70年代にかけて、ハリウッドの北にオフィスを構えたワーナー・ブラザーズは、「バーバンク・サウンド」と呼ばれる独特な音楽を生みだしました。その象徴となったのがハーパース・ビザールというグループで、わずか2年の活動期間に印象的な4枚のアルバムを残し、なかでも The Secret life of Harpers Bizarre(1968) は、あのピチカート・ファイヴの小西康陽氏をして「最高のロック・アルバム」と言わしめました。架空のサウンド・トラックとして作られたこの作品は、どこかで聴いたようなノスタルジックで幻想的な音楽で、白昼夢を見ているような気分にさせられます。どこにも行きたくないような暑い夏の昼下がりに聴いて、脳内トリップを楽しみたいです。Harpers Bizarre - Me, Japanese Boy
exquise@extra ordinary #2
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