2009年09月08日

黒カナリアのぶらりアイルランド一人旅(4) アイルランドで中国を考える

ダンスの興奮も冷め遣らぬ翌日、荷物はホテルで預かってもらい、街をぶらつく。

バス待ちのアメリカ人の若者団体がたむろする道を通ろうとするとその中の一人が「チャイニーズだ。臭うぞ」とか言いながら臭いをかぐ仕草をした。赤毛の大柄なまだ少年といえるくらいの若者だが一気に不快になった。悲しいかなこういう輩が存在する。

Watch your mouth, young man! Are you a racist? Being like that, you look complete ass!「言葉に気をつけなさい、若いの! 人種差別主義者か? そんな風だと完全なバカにみえるわよ」

―とでも格好よく言ってやりたいところだが、多勢に無勢。20人あまりのサカリのついた犬みたいな連中を相手したらぼこぼこにされる危険がありそうなので、振り返って君、ダメダメやなあと首を振る程度にしておいた。それにしてもお隣さんは評判がよろしくない。今回何度かアメリカ人が「Chineseが!」というのを聞いた。成長著しさが、かつて日本がそうだったように恐怖に近い感情を抱かせ、また超大国の座を脅やかされて苛立っているのも事実なのだろうけど。これにはのちのち考えさせられることになる。

ireland03.jpg

セントジェームズ公園(写真)でぼおっとし、昼食にサンドイッチとフルーツを買い込みタクシーで駅に向かう。電車は黄色にグレイの線がスマートな車体で、向かい合わせのコンパートメント席の窓際がわたしの席である。もっさりしたカエル似のアイリッシュのお兄ちゃんが向かいである。

出るまでは静かだったのだがわさわさと話し声とともに賑やかに四人連れの中国人が乗り込んできた。隣のコンパートメント席にはアイリッシュの大学生くらいの女の子が一人かけていたのだけれど、そこへどやどやとなだれ込むように座る。こちらにも一人。あとから別の白人の女の子がやってきて、どうも席が違うのに座っていたらしく中国人が二人こちらに移ってきた。アイリッシュの子はほっとしたように隣に座った女の子と会話を始める。明らかに二人の視線は「なにこの中国人たち」という感じだ。それも無理もない。この四人がまあ賑やかなのだ。特にわたしの斜め向かいの女の子がしゃべるし食べるしーがさがさと袋から中国菓子を取り出しては食べ、「ふふふふーん」と笑い、マメを出してはみんなに配り殻を集めてまた「ふふふふーん」と忙しい。全くうるさい女だ。この時くらい向かいの兄ちゃんのアイポッドが羨ましかったことはない。

あきらかに傍目にはわたしも一員に映るのがかなりヤな感じだ。でもヤな感じだと思うわたしはなんだろう。

象徴的なのはわたしの前に置かれているのはマーク&スペンサーで買ったサンドイッチにフルーツサラダ。お茶こそ日本のペットボトルだが全てこちらのものだ。席は確認するし、ひと声挨拶もする。彼らはかたくなに中国茶に中国菓子、大声で話すのも中国語。気配りゼロ。周りに合わせようとする日本人と周りに配慮しない中国人との違い?

でもそんな事を感じるのはこちらだけで、アイリッシュや他の人々にしてみれば日本人も中国人もみな同じに見えるだろう。それが嫌なのか。わたしはマナーをわきまえた日本人ですよ、一緒にしないでーと言いたいのか。そこにあるのは何? 中国人にしてみれば何ひとりで気取ってんの、変な日本人―というところだろう。

トイレに行って帰ってくるとアイリッシュの女の子も向かいの兄ちゃんも降りていて、もう一人は別の席に移っていて、中国人たちは嬉々としてコンパートメントを独占していた。お互いめでたしーって感じだ。ゴールウェイ近くで白人が三人乗ってきてわたしのコンパートメントに座った。座席を確認して微妙なずれに気付いたか、わたしと中国人4人を比べ見て、「そういうdeal(取り決め)になってんじゃない?」と呟いていた。

そうなんです、この間には微妙な、しかし確かな距離があるのです・・・




黒カナリア@あんな映画こんな映画+一人旅

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posted by cyberbloom at 08:20| パリ | Comment(2) | TrackBack(0) | こんな映画あんな映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。

今度アイルランドに行く予定なんです!っと思いきや、ちょっと気になる日記だったのでコメントさせてもらいます。

っというのも、私自身もこのような体験をする事が多く、非常にいたいくらいに分かる光景だったので。。。

どこに行っても、このような事は起きているような気がします。日本人と中国人との違いがわかる外国人も今だからちょっとは増えているものの、やはりまだわずかではないでしょうか?中国人ももう少しその地に慣れてほしいものです。って心底思います。ちょっと年月が必要なのかも?!まだ、これから、って感じですかね。。。笑
Posted by 実は。。。 at 2009年09月08日 17:27
読んでくださってありがとうございます。

今回は本当に中国人に対して「ちぇっ」という反応が多かったです。一緒にしないでよ、とはいうもののアジア系全体に対する差別でもあるのですよね。そう思うと複雑です。

アイルランドに行かれるのですね。人々は親切ですし意外にも(失礼?)食べ物は美味しく、絶景があちこちで見られる素適なところです。どうぞ気をつけて楽しんでらしてください。次の回辺りから絶景ポイントに関して書いています。よければ参考にしてください。

また帰られたらどんな様子だったかお知らせください。
Posted by 黒カナリア at 2009年09月09日 14:14
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