リフレ政策を理解するにあたって、まず押さえておきたいのは名目成長率と実質成長率の区別をしておくことです。いずれも国などの一年の成長率をお金で表したものであることに変わりありません。違いはといえば物価を考慮しているかどうかです。物価変動を考慮に入れないで、たんにお金の増減だけに注目するのが名目成長率。物価変動も考慮に入れて、再調整したのが実質成長率となります。具体的には、まず車しか生産していないある国を想定してみます。
A年度 車100台×100万円=1億円
B年度 車110台×110万円=1億2100万円
この国の名目成長率は21%(2100万円)となり、実質成長率は10%(1000万円)となります。実質成長率の計算方法ですが、
@1億2100万円(名目成長)から、10%(10万円)の物価上昇分を考慮に入れ差し引く。つまり
1億2100万円(名目成長)−(10万円(物価上昇率)×110台)=1億1000万円(実質成長)
つまり車一台あたり10万円だけ「見せかけ」が混じりこんでいますから、これを控除する方法です。こうやって実質成長率を10%ととらえることもできます。
A以下のとらえかただともっとシンプルに、前年度の物価水準をもとに計算することもできます。
100万円(A年度の物価水準)×110台(B年度の生産高)=1億1000万円(実質成長)
というとらえかたです(以前、地域通貨の記事で経済の実体は金のやりとりでなく、実際のモノやサービスのやりとりを指すと指摘しましたが、これとからみます。上記モデルの国は1年間であらたに10台の車を生産する力(厳密にいうと売れるかどうかという需要サイドの問題もありますが、ここではあえて無視しておきます)が生まれたということになります。この10台分のあらたな上乗せが実質成長率というわけです)。
以上をまとめると、たんなる金の増減にだけ焦点をしぼったのが名目成長率。実際のモノやサービスのやりとりをある一定の基準点(物価水準)のもとであらわすのが実質成長率といっていいかと思います。
そして、ここのところを押さえておくだけで、リフレ政策がどのようなものかの大筋がわかってくると思います。リフレ政策とは「中央銀行が物価上昇率に一定の目標を定めることであり」、さきの例でいうと
a年度 車100台×100万円=1億円
b年度 車100台×110万円(10%の物価上昇)=1億1000万円
a年度にこの国の中央銀行が1000万円あらたにお金を発行し、車しか産業がないこの国において車1台が100万円だったのを、b年度には110万円にアップさせるというのもリフレ政策となります。この国の実質成長率は0%です。モノやサービスのやりとりに増減がないからです。しかし、中央銀行が1000万円お金を追加したために見かけ上、つまり名目成長率が10%アップしたということになります。(…続く)
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