2010年02月07日

音楽で観るフィギュアスケート バンクーバー五輪女子シングル編

いよいよカナダのバンクーバーで冬季オリンピックが開幕します。楽しみな競技はいろいろありますが、やはり皆の関心を集めるのはフィギュアスケート。メディアでは連日有力選手が特集されていますし、ジャンプなどの技術の紹介もよく見かけますので、ここではまた音楽という観点から選手をご紹介したいと思います。五輪シーズンということもあり、今季はフィギュアで定番のクラシック音楽や、有名な映画のサントラを用いる選手が多いなか、個性的な音楽や、自分のキャラクターに合った曲を使っているスケーター何人かに注目してみましょう。


Pirates of the Caribbean - Dead Man's Chest (soundtrack) by Hans Zimmer / Fragile Dreams by Joe Hisaishi / He's a Pirate (from Pirates of the Caribbean) by Klaus Badelt and Hans Zimmer - Mirai NAGASU (USA)

mirai2.jpgアメリカ代表は10代の若い2選手に決まりましたが、その1人長洲未来(ながすみらい)選手はご両親が日本人ということもあり、私たちにも親近感がわく選手。「パイレーツ・オブ・カリビアン」のあのおなじみのメロディーに合わせて、屈託のない笑顔でのびのびと滑る彼女を観ていると、こちらも元気がわいてきます。ここ1、2年で身長が急激に伸びたために、昨年はジャンプに体を合わすのに苦労していたようでしたが、今季はそれも調整し、スラリと長い手足を逆に武器にしていよいよ実力を発揮してきました。美しいスパイラルや軸のぶれないスピンにぜひご注目ください。


Mirai NAGASU Short Program




Fever by Davenport - Elene GEDEVANISHVILI (GEO)

elene.jpg4年前のトリノ・オリンピックで、ショートプログラムで次々とジャンプを決め、フリー演技の最終滑走グループに残ったエレーネ・ゲデバニシビリ選手。当時はあまり知名度はなかったものの、その愛くるしいルックスが記憶に残った人も多かったはず。今回もグルジア代表で出場です。プログラムには明るくてかつ色っぽい感じの曲がよく使われていて、彼女の溌剌とした演技や健康的なセクシーさにぴったりです。最近はジャンプに失敗が多いので最終成績が今ひとつなのですが、決まってくれば上位をおびやかす存在になるでしょう。


Elene GEDEVANISHVILI Short Program





Air by Bach / Cello Concerto by Antonio Vivaldi - Carolina KOSTNER (ITA)

carolina.jpgスケート技術で常に高い評価を得ているイタリアのカロリーナ・コストナー選手。びっくりするほどのスピード感と女の子らしい振付けが魅力的なスケーターです(コスチュームもいつも素敵)。彼女はいつもその可憐な雰囲気に合うクラシック曲を選ぶことが多いのですが、今季のフリープログラムではバッハの「G線上のアリア」とヴィヴァルディのチェロ・コンチェルトを選びました。ゆったりしたストリングスをバックにすると、逆に彼女のスピードがより感じられるようです。彼女もジャンプに苦しみ、イタリア代表になれるかすらも危ぶまれる状況でしたが、1月の欧州選手権で優勝してようやく代表に決まりました。この上がり調子のままでオリンピックに臨んでほしいです。


Carolina KOSTNER Free Program




Adios Nonino performed by Gary Burton / Fuga y Misterio performed by Gary Burton - Laura LEPISTÖ (FIN)

laura.jpg以前、 「秋の音楽」でご紹介したアストル・ピアソラの「アディオス・ノニーノ」をプログラムに使っていたのは、フィンランド代表のラウラ・レピスト選手でした。お人形のようなノーブルな顔立ちの彼女がタンゴのメロディーに合わせて演技しているといつも見とれてしまいます。赤い衣装の彼女が踏むキビキビとしたステップや、急速に回転するスピンは、真っ白い氷に実によく映えます。彼女も一昨年の欧州チャンピオンですので、最終滑走グループでこのフリー演技を観られる可能性は大いにあるでしょう。


Laura LEPISTÖ Free Program




Prelude No. 3 op. 2 ("Bells of Moscow") by Sergei Rachmaninov - Mao ASADA (JPN)


mao.jpgショパンの名曲でニンフのように軽やかに滑っていた浅田真央選手が、今季このラフマニノフの曲を選択したとき、果たしてこの「重々しさ」を彼女が表現しきれるのだろうかと不安でした。昨季から彼女は同じ旋律が繰り返される、悪く言えば「一本調子の」曲をフリープログラムに使用しているのですが、それは「動ー静ー動」といったわかりやすい構成の曲を敢えて避け、微妙な音の変化をいかに演技で表現するかという挑戦でもあると思うのです。オリンピック・シーズンであっても、今の状態に甘んぜず、常に新しいことに果敢に挑む彼女の姿勢には本当に感服させられます。その成果がバンクーバーで遺憾なく発揮されますように。
いつもトリプル・アクセルばかりがクローズアップされていますが、このプログラムでは最後のストレートライン・ステップがすばらしい。彼女がすごい速さでクルクルと旋回する姿を観ていると、自然とトゥルビヨン(tourbillon つむじ風)という単語が頭に浮かんできます。


Mao ASADA Free Program




女子シングルでは、今季圧倒的な強さを見せる韓国のキム・ヨナ選手や地元カナダのジョアニー・ロシェット選手などが有力視されていますが、ここでご紹介した選手たちも、持っている力を十分に出せばメダル争いに加わってくることでしょう。皆のすばらしい演技を期待しています。

次回は男子シングル編をお届けします!


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posted by exquise at 10:47| パリ ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | extra ordinary #2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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