第63回カンヌ映画祭が12日に開幕しました。今年コンペティションの審査委員長をつとめるのは、新作『アリス・イン・ワンダーランド』が日本でも好調なティム・バートン監督(左下の写真の左から4人目、写真をクリックして拡大してご覧下さい)です。開会式にはバートン監督を初めとする審査員の面々と、オープニングを飾ったオリヴァー・ストーン監督の『ロビン・フッド』に出演したラッセル・クロウ、ケイト・ブランシェット(今は亡きアレクサンダー・マックイーンのオリエンタルな雰囲気のドレスでレッドカーペットを歩く彼女は本当に美しかった!)などが登場して華やかな雰囲気に包まれました。さて、今回のコンペについて日本で最も話題になっているのは何といっても北野武監督の『アウトレイジ』が選ばれたことでしょう。北野監督というと、ベネチア映画祭の常連というイメージが強いですが、11年前に『菊次郎の夏』を出品したほか、第60回を記念して製作されたオムニバス映画『それぞれのシネマ』にも参加しています。久々のバイオレンスもの(それもかなり徹底した形で描かれているもよう)で、椎名桔平、加瀬亮、三浦友和といった個性的なキャストも気になるところ。
コンペにはその他アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ、マイク・リー、アッバス・キアロスタミ、ダグ・リーマン、ニキータ・ミハルコフなど有名監督の作品が数々登場しています。またフランスからの作品も多く選ばれているのも特徴的です。フランス勢で気になるのはグザヴィエ・ボーヴォワ Xavier Beauvois 監督の Des Hommes et Des Dieux(人間たちと神たち)。90年代、アルジェリアのとある修道院で平和に暮らすキリスト教とイスラム教修道士たちの物語で、スチール写真の美しさに惹かれました。また俳優のマチュー・アマルリックのおそらく初?監督作品 Tournée (巡業)。ストリッパーのチームをアメリカから引き連れてフランスを巡業してまわる男の話で、アマルリックは脚本も担当したうえ、主演もしています。俳優ではその個性が印象的な彼がどんな映画を作ったのか早く観てみたいですね。今回はアジアからの参加作品も多く、北野監督のほか、韓国のイ・チャンドン、イム・サンス監督、中国のワン・シャオシュアイ監督、タイのアピチャッポン・ウィーラセタクン監督が出品しています。ウィーラセタクン監督はインスタレーションや写真などアート作品も手がける映像作家で、かつてカンヌの審査員賞を受賞した『トロピカル・マラディー』は、「カイエ・デュ・シネマ」誌の2000年以降のトップ10にも選ばれていましたね。今回のLUNG BOONMEE RALUEK CHAT(ブーンミーおじさんは過ぎ去った命を呼び戻す)でも余命僅かの男性のもとに死んだはずの妻と失踪した息子の幽霊が現れる話だそうで、斬新な映像が期待できそうです。
「ある視点」部門は、大御所ジャン=リュック・ゴダールやマノエル・デ・オリヴェイラ監督から、カンヌの常連ジャ・ジャンクー、そして若手にいたるまで世界各国からヴァラエティに富んだ内容の作品が集められました。そのなかには日本の中田秀夫監督の作品も選ばれていますが、今回彼はイギリスからの出品。Chatroom(チャットルーム)と題されたこの映画は、アイルランドの作家 Enda Walsh の脚本によるインターネットをテーマにしたホラー作品だそうで、アーロン・ジョンソンをはじめイギリスの俳優が出演。スチール写真からすでにそそられます。受賞式は23日。結果発表およびその他気になる作品をまたそのときにご報告します。
exquise@extra ordinary #2
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