2008年01月25日

「恋愛睡眠のすすめ」

science_of_sleep_ver2.jpg映画のなかでは、夢の世界の表現はさまざまなかたちで行われてきましたが、最近観たミシェル・ゴンドリーの「恋愛睡眠のすすめ」は、そのなかでもかなりユニークな作品でした。


メキシコから母親(ミュウ=ミュウ)の住むパリへやってきたステファン(ガエル・ガルシア・ベルナル)は、ときどき夢と現実の区別がつかなくなる青年。母親が大家をしているアパルトマンに落ち着き、これまた母親が探してきた職場で、つまらぬ仕事を始めた彼は、隣に越してきたステファニー(シャルロット・ゲンズブール)が次第に気になり、夢の世界で彼女との恋を楽しむが、現実ではそううまくいかない・・


シックなパリの街並、いかにもパリジャンたちの生活に登場しそうなアパルトマンやカフェの映像と交互に描かれるステファンの夢は、ダンボール、色紙、セロファン、布や毛糸などを用いた「手作り」感あふれる装飾にかこまれた世界。それらがアニメーションで動くなかを、ヒーローとなったステファンが繰り広げるドラマチックな恋愛劇がとても楽しい。


science1.jpgしかしながら、正直言ってこの映画は万人におすすめできるものではありません。ステファンの夢はとりとめなく続く、しだいに現実との境界があいまいになってよくわからなくなる、だらだらした物語の先がまったく読めない、そしてステファンその人の性格がウジウジして情けない。これはガエル・ガルシア・ベルナルが演じているからキュートに見えるのであって、実際にこんな人がいたらアブナすぎる・・ 好きな人と嫌いな人とにはっきりと分かれる作品だと思います。最初このウダウダ感に戸惑ったものの、もともと脱力系が好きなものですから、私は結構面白く観ました。


ガエル&シャルロット、というありそうでなかったキャスティングもナイスで、とにかく2人が楽しそうに演じているのが、観ていて気持ちがよかったです。やたらエロトークを連発する上司役のアラン・シャバをはじめ、彼らをとりまく一風変わった人々もいい味出してました。


science3.jpg監督のミシェル・ゴンドリーは、もともとビヨークなどのミュージック・ヴィデオを手がけ、映画監督としては、これまで「ヒューマン・ネイチュア」や「エターナル・サンシャイン」などヘンテコでユーモアあふれる映画をハリウッドで発表してきました。今回母国フランスへ戻って制作した「恋愛睡眠・・」は、前2作品をさらに純化させ、コンパクトにしたような作品で、いろいろなアイディアを好き放題に詰め込んだという感じです。それを象徴するのがステファンのさまざまな珍発明で、極めつけは「1秒タイムマシン」。名前の通り1秒だけ未来と過去に移動できる、というものでその実際の効果はぜひ映画でご覧ください。


MTV畑出身ということもあるのか、サウンドトラックも秀逸で、映像と音楽が重なるシーンはどれも見事にマッチしていました。ステファンが夢のなかでステファニーに捧げる曲も、彼の着ぐるみ姿ともどもチャーミングで好きなシーンのひとつです。






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posted by exquise at 01:38| パリ ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | extra ordinary #2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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恋愛睡眠のすすめ
Excerpt: The Science Of Sleep 2005年/フランス 監督 ミシェル・ゴンドリー 出演 ガエル・ガルシア・ベルナル、シャルロット・ゲンズブール 観るのをかなり楽しみにしていた。 ..
Weblog: 悪酔いプーさん、くだまいてポン
Tracked: 2008-02-16 15:03

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